<信じられなかった『ヒ素混入カレー事件』>

岡田洋子

和歌山で起きた「ヒ素混入カレー事件」は実は私が第一報を伝えたのですが、発生した時は「夏祭りの最中に食中毒で何人も倒れた。」という報告が入ってきて、まさか正直言ってこんな騒動になろうとはその時は誰も思わなかった。
楽しいはずのお祭りが大変なことになったな。しかも町内会ということでカレーを作った人が大変な責任を追うことになるね。善意でやったものが悲劇になってしまうなんて…、という程度にしかとらえていなかったんですよ。


 
現場レポートの難しさを淡々と語る寺崎アナ。
人への気遣いはやはり重要とのこと。
にこやかな岡田アナもここでは真剣なまなざし。

寺崎貴司

原因がヒ素によるものだと発表されたのは随分経ってからでしたからね。

岡田洋子

こんな事態に広がるとは思ってもなかったですね。
その後もニュースで続報を伝えましたが、とにかくびっくりしました。毒を盛って人を殺す、なんてマンガや小説の世界ではよくありますけど、本当にしている人がいるなんて……。

寺崎貴司

岡田の場合、この事件はもちろん、連鎖反応的に起こった事件も含めると去年の7、8月は殆ど毎日関連記事を読んでいたんじゃないかな。

岡田洋子

これだけじゃなく、新潟(このアジ化ナトリウムのポット混入事件は、2月11日犯人逮捕)や長野(缶ウーロン毒物混入事件)の事件も未解決ですよね。それも気になりますが、ヒ素というものは体に残ってしまい、ゆくゆくはガンの原因になることもありうるそうで…。今は大丈夫でも、この先30~40年後に発ガンする可能性もある。それはかなり気になりますよね。

寺崎貴司

僕はしばらくして浮かんだ“疑惑の夫婦”の存在を、8月25日に朝日新聞が報道したのをきっかけにして、2人の人間関係や保険金疑惑などの周辺取材をしました。直接は話していませんが、逮捕後に拘置理由開示の裁判で、和歌山地方裁判所の傍聴席で2人が話しているのを見ました。

岡田洋子

“衝撃”って言ったらヘンですけど、それまでは“疑惑”ということでかならずモザイクがかかっていた容疑者の顔を初めてみた時、「こんな、何処にでもいるような人がそんなにひどいことをするのか」とショックを受けたのを覚えています。

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