京都・大阪・神戸は行くことが多いけれど
同じ関西でも、奈良はちょっと二の足を踏んでいた。
すごく遠い気がしていたのだ。 |

近鉄 |
京都から特急で30分ほど
行ってみたかった古都はあった
こんにちは奈良。
まずは法隆寺目指して斑鳩へ
奈良駅からはバスで数十分、奈良って広い
となりのおばちゃんの声を聞いて、奈良の関西弁は少し違うなぁと気がつく。 |

法隆寺 |
法隆寺、夢殿、聖徳太子、玉虫厨子
聴いたことがあるものばかり
興奮しすぎてチケットを途中でなくす。うぎゃ! |

夢殿 |
落ち着いたのは中宮寺に入ってからだ
アルカイックスマイルに出会ったら急に心が整った。
いつまでも見ていたい優しいお顔だった。
ささくれだった気持ちが和らいでいくような
イライラしたことも許してもらえそうな
すがりたくなるような存在だ
バス停であるご婦人が乗り換え方を教えてくれた
これから息子の家へ行くのだと楽しそうに笑う婦人
ほんの少しの間、ふたり旅になった。 |

奈良雑感 |
まだ見ぬご婦人のご家族に思いを馳せつつ
教えてもらった通りの乗り継ぎで次の目的地へ
別れ際手を振ったとき、ちょっと泣きそうになった。
またあのご婦人にいつか会えるかな?
今ごろ、うちの家族は何をしているんだろう?
そんな思いに耽りながら電車に乗り込んだ。 |

唐招提寺 |
観光地なのにしんとしたところがある
時間がなんだかザックリ、ゆったりしている
まるで秒針が少なくなったみたいに。 |

コスモス 柿 |
こっちも行ってみよう
寄り道欲が湧いてきた
キンモクセイが香る路地裏、猫が何か言いたげにこちらを見ている。 |

キンモクセイ 屋根の神様 |
唐招提寺は金堂が工事中だった
鑑真和上には会えなかったけど
深い緑の空気を吸い込む
でも塀が素晴らしい
壁を見ているだけで心が洗われる気がする
素朴であったかい土の塀 |

土塀

土塀その2 |
たかが塀、されど塀
すっかりこの土の塀に魅せられてしまった
唐招提寺は今回の旅の中で、最も印象的な場所になった
この静けさはどうやって出来るんだろう?
土が吸い込んでしまうのか
緑が吸い込んでしまうの |

帰り道 |
薬師寺はもう閉まっていた。
農道と川沿いを歩いてとなりの駅まで帰ることにした。
鼻歌を歌って時々けんけんぱして歩いた。 |

帰り道その2 |
空には鳥の矢印、電線の五線譜
もうすぐ夜がやってくる。
昔はどのくらい暗かったんだろうか。
→→つづく→→ |