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12月7日 カレンダーから寄り道 〜3行ずつのつれづれ日記・奈良(上)編〜

京都・大阪・神戸は行くことが多いけれど
同じ関西でも、奈良はちょっと二の足を踏んでいた。
すごく遠い気がしていたのだ。


近鉄

京都から特急で30分ほど
行ってみたかった古都はあった
こんにちは奈良。

まずは法隆寺目指して斑鳩へ
奈良駅からはバスで数十分、奈良って広い
となりのおばちゃんの声を聞いて、奈良の関西弁は少し違うなぁと気がつく。



法隆寺

法隆寺、夢殿、聖徳太子、玉虫厨子
聴いたことがあるものばかり
興奮しすぎてチケットを途中でなくす。うぎゃ!


夢殿

落ち着いたのは中宮寺に入ってからだ
アルカイックスマイルに出会ったら急に心が整った。
いつまでも見ていたい優しいお顔だった。

ささくれだった気持ちが和らいでいくような
イライラしたことも許してもらえそうな
すがりたくなるような存在だ

バス停であるご婦人が乗り換え方を教えてくれた
これから息子の家へ行くのだと楽しそうに笑う婦人
ほんの少しの間、ふたり旅になった。



奈良雑感

まだ見ぬご婦人のご家族に思いを馳せつつ
教えてもらった通りの乗り継ぎで次の目的地へ
別れ際手を振ったとき、ちょっと泣きそうになった。

またあのご婦人にいつか会えるかな?
今ごろ、うちの家族は何をしているんだろう?
そんな思いに耽りながら電車に乗り込んだ。



唐招提寺

観光地なのにしんとしたところがある
時間がなんだかザックリ、ゆったりしている
まるで秒針が少なくなったみたいに。

 
コスモス                          柿    

こっちも行ってみよう
寄り道欲が湧いてきた
キンモクセイが香る路地裏、猫が何か言いたげにこちらを見ている。

  
キンモクセイ                屋根の神様 

唐招提寺は金堂が工事中だった
鑑真和上には会えなかったけど
深い緑の空気を吸い込む

でも塀が素晴らしい
壁を見ているだけで心が洗われる気がする
素朴であったかい土の塀



土塀


土塀その2

たかが塀、されど塀
すっかりこの土の塀に魅せられてしまった
唐招提寺は今回の旅の中で、最も印象的な場所になった

この静けさはどうやって出来るんだろう?
土が吸い込んでしまうのか
緑が吸い込んでしまうの



帰り道

薬師寺はもう閉まっていた。
農道と川沿いを歩いてとなりの駅まで帰ることにした。
鼻歌を歌って時々けんけんぱして歩いた。



帰り道その2

空には鳥の矢印、電線の五線譜
もうすぐ夜がやってくる。
昔はどのくらい暗かったんだろうか。

→→つづく→→

 
 
    
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