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身長
165cm
出身地
神奈川県川崎市
出身校
神奈川県立多摩高校→
中央大学文学部
入社年月日
2005年4月1日
星座
獅子座

2014/10/20   ファインダーの中のアナウンサー

ファインダーの中のアナウンサー

アナウンサーを撮り始めて、およそ10年が経つ。
プロの腕には到底かなわないけれども
撮った枚数ならプロにも負けない。

「毎日テレビに映っているのに?」と
意外に思われるかもしれないが
写真が苦手なアナウンサーが多い。

動画の世界で仕事をしているからこそ、なのか
スチール撮影となると
途端に、テレビ画面で見せる笑顔が固まる。

ちょっと写真が好きで、なんて言ったのが始まりで
まだアナウンサーとして若葉マークがついていた頃から
マイクと同じくらいカメラを持たされた。

「アナウンサーとしても役立つから」
そう言われた当時は、
その意味はちんぷんかんぷんだったけれど
カメラを持つと
なんだか無我夢中になった。

部員同士が撮った写真は
見ず知らずのプロが撮るより
もう何歩か、距離が近い笑顔になると
好評価をしてもらっているようだ。
そう言ってもらいたいから、頑張っていたりする。

とはいえ
ファインダーから覗いたアナウンサーは
笑顔が硬い。

どうやったらテレビで見たままの笑顔を、
はたまた
それを超える自然な笑顔を引き出せるのか。

被写体となるアナウンサーの番組を注意深く見た。
いつもより多めに話しかけて取材した。
ブログを三ヶ月分振り返った。
周りの人に聞き込みをして、好きなものを調べた。
相手を知って、相手の良さを出来るだけ引き出すためだ。

実は、撮影をしている時には
なんてことない時間だけど、
何も会話をしないのには長すぎる「間」がある。

こちらはレンズを取り替えたり
設定を変えたりと、忙しい「間」なのだが、
写真嫌いはその「間」で、
カメラの前から逃げ出したくなるようだった。

そんな時のために、たくさん調べ上げた豆知識が役立った。
どうってことない会話…。
そこで相手を和ませることで、
小さな「間」が、笑顔の大収穫期に変わることだってあった。

「これってインタビューと似ているな…。」
いつの間にか、カメラを構えることは
アナウンサーとしての技能にもつながっていった。

不思議なことなのだが
ファインダーから覗いて見ると、
いろいろなことに気が付いてしまうことがある。

「リップの色、変えたんだな」と思うと
恋する乙女になっていたり、

「前よりも、もっと綺麗になったなぁ」と思うと
おなかの中に新しい命が宿っていたり、

「見たことない表情をしているな」と思うと
その人が数日後に大きな決断を発表したりする。

その時には、「なんだろう?いつもと違う」という程度の気付きだが
これが幾日か経つと「ああ、なるほど。やっぱり」となることが多いのだ。

ただ、それはファインダーを通さないと
なかなか見えてこない。
まるであぶり出しのように
じわりと浮き出てくる真実といった感じだ。

目の前で見ているのとは
まったく違う姿に出会えてしまう
あるいは
そんな表情をえぐり出してしまう
カメラマンという仕事は
とても面白い仕事なんだろうなぁと思う。

さて、そんな私が制作に大きく関わった
テレビ朝日女性アナウンサーカレンダー2015が
今年も10月18日(土)から発売された。

あなたの開いたページのアナウンサーは
どんな表情をしているだろうか?
ぜひ手に取ってみてほしい。

どのページにも
カメラマンとなったアナウンサーにとっては
わが子のように大切な一枚がきらめいている。

(auヘッドラインコラム「徒然やじこ」より転載、加筆)

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