〜今回は、「ビフォア・サンセット」をご紹介します〜
9年前、ウイーンで、14時間の恋をして別れた二人が、
9年の時を経て、パリで再会を果たす。
二人に残された時間は、85分。
アメリカ人ジェシーと、フランス人のセリーヌは、
9年前にユーロトレインの中で運命の出会いをし、恋におちる。
それから夜明け前まで、14時間を共にし、
半年後に再びウイーンで会うことを約束し、別れた。
(『恋人たちの距離(ディスタンス)』より)
あれから9年後。
作家となったジェシーは、パリの書店へプロモーションに訪れていた。
そこに偶然居合わせたのが、なんと、9年前に恋に落ちた女性、セリーヌだった。
9年ぶりに再会できた喜びを分かち合い、二人は夢中になって話をする。
二人に残された時間は、ジェシーが空港に向かうまでの85分。
ジェシーには妻と息子がおり、セリーヌには恋人がいる現実。
今の生活、仕事、恋愛について、とりとめのない話をしながらも、
タイムリミットが迫るにつれ、
二人の心が9年前のあのときに戻ろうとする思いは、強くなるばかりだった・・・。
ご存知・『恋人たちの距離(ディスタンス)』の続編。
9年前に別れた、「忘れられない人との再会」をテーマに、
残された85分間のやりとりをリアルタイムで追う形で描かれる。
二人の会話をメインに進行していき、その展開にとりわけ劇的なものはない。
その代わり、この二人の会話は極めて自然で、しかも現実的であり、
それぞれの気持ちの微妙な揺れや、お互いの価値観の違いなんかも、
克明に描写してしまう程の絶妙なやりとりが繰り広げられる。
それは、まるで本物のカップルの会話を、
85分間、ずっと目の前で見ているような感覚に陥ってしまうようなリアルさだ。
気づいた頃には、この二人を客観的に見るための距離をとれなくなっている。
我々観客は、それぐらい夢中になって、
85分という限られた大切な時間を二人が如何に過ごしていくかを、
じっと見守ってしまうのである。
そして、二人の姿に感情移入した果てに、
きっと誰もが、自分の中にある、忘れられない存在を思い出すことになる。
人は大人になるにつれて、
守るべきものや負わなければならないものが増えて、
自分の気持ちにただ素直に突き進むことが困難になる。
そうすることで、守るべきもの、築いてきたものを失ってしまう恐れがあるからだ。
今を生きていくならば、忘れ難くても、気持ちも過去に置いてくるべきだ。
・・・そんな風に諦めたはずの思いが解き放たれる、唯一の時間が、
この85分間なのだ。
果たしてこの二人の恋は、どんな結末を迎えるのだろうか?
大人になってしまった今、この二人も、
気持ちにただ素直に生きることができた9年前と「全く同じ」場所には、
やっぱり、戻れないのかもしれない。
でも、二人で共有した時間と、互いへの深い想いは、
永遠に眩しく、特別なものでありつづけるだろう。
◆近況報告◆
先日、お休みをいただきまして、ケニアへ行ってまいりました。
果てしなく広がるサバンナは、まさに動物王国!
母なる大地の豊かさを感じました。
写真は、サバンナで生きるゾウの親子です。
後日改めて、このページで詳しくご報告いたします!
というわけで、充電はバッチリです。がんばります!
|
ゾウの親子愛を激写してみました。 |
|