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3月23日 今回は『カレンダー・ガールズ』をご紹介します!

 
4月も半ば。
華々しく咲き誇り、潔く散った桜のあとには、
鮮やかな新緑が芽吹きはじめました。
日差しを浴びてキラキラと輝く小さな葉たちには、
希望に満ちた「これから」が感じられて、
見ているこちらにまで、ちからを与えてくれているかのようです。

東京タワーをバックに、はいパチリ。やっぱり松井さん撮影。
 

そうそう。先日見た映画にも、
ちょうどこの季節の新緑に似た、
「キラキラ」、「これから」が、ありました。
但し、ヒロインたちは決して新緑みたいに若くはないんですけどね。
でも、だからこそ、一層励まされるような、そんな映画です。

〜〜〜そんなわけで、『カレンダー・ガールズ』をご紹介〜〜〜
 
これは、1999年に起こった実話。
イギリス、ヨークシャーの田舎町で暮らす主婦、クリスとアニーは親友同士。
毎月開催される地元の婦人会の議題は、
「ブロッコリーについて」、「敷物とは」・・・など、あまりにお粗末。
かといって他にすることもなく、平穏だが退屈な日常を送っている。

そんなある日、アニーの最愛の夫ジョンが白血病で倒れ、他界。
失意のアニーを何とか立ち直らせたいクリスはあるアイデアを思いつく。
毎年作る「婦人会カレンダー」の売り上げを伸ばして、ジョンが生前世話になった
病院に寄付しようというもの。
しかもモデルは、婦人会のメンバー・・・つまり、自分達。おまけにヌードで。
だが、肝心の婦人会の女性たちは、こんな奇抜な企画にただ唖然。
そんな皆に、アニーは生前のジョンが遺した言葉を伝える。

「ヨークシャーの花は女性に似ている。
満開のときこそ、もっとも美しい花を咲かせるんだ」

この言葉が、婦人会の女性達の背中を押し、
「婦人会ヌードカレンダー」の制作が実現する。
これが何と!世の多くの人々から支持され、
後に30万部の世界的ベストセラーとなるのである。

ジョンの死から始まった、ヌードカレンダーを巡るクリスたちの冒険は、
彼女たちに様々な苦難も強いたが、
それ以上に、女同士の友情に、より強固な絆を築き、
それぞれの人生に明るい希望の光を与えることとなる。

ごく普通の生活を送る彼女達が、ある日突然ヌードになり、
それを世に出すというのは、大いなる決断。
・・・しかも、ヌードになるには、少々、年を取りすぎている。
夫や息子の反発もあり、周囲からは好奇の目で見られ、・・・障害は山の如し。

それでも敢えて、挑戦した訳は?

「自分は、自分自身の人生を、100パーセント生きているだろうか。」
女性が家庭に入り、子供を育て、夫の人生を支える役割を生きていくうちに、
いつしかこんな疑問が浮上するだろう。きっと、この映画に出てくる女性は
そう感じながら生きてきたと思う。誰のものでもない自分だけの人生だと
感じる瞬間を、彼女達は心のどこかで望んでいたのではないだろうか。

やがて、ヌードカレンダーを作り始めた彼女たちは、みるみるうちに輝きを
増してゆく。

婦人会の女性が、クリスのヌードの誘いに答えた言葉。
「・・・・私たちはいま55歳。今脱がなくて、いつ脱ぐのよ!」
可笑しさを上回る説得力のある言葉だ。
今こそが立ち上がるとき。自分だけの人生を再び切り開くとき。

カレンダーの中の彼女たちには、年を重ね、決してパーフェクトな体ではないけれど、
幾年もかけて培ってきた人生の厚みに加えて、「今」を生きる希望に満ちた煌き
がある。
やわらかな光を浴びた「ヨークシャーの花」のような、いくつもの最高の表情が、
そのカレンダーには、見事に、綴られている。

■作品データ/『 カレンダー・ガールズ』
監督:ナイジェル・コール
出演:ヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ、アンガス・バーネット
配給:ブエナビスタ/2003年/イギリス/108分

※2004年5月、日比谷シャンテ・シネ他ロードショー

■『カレンダー・ガールズ』公式サイト
http://www.movies.co.jp/calendergirls/

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