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10月21日 今回は、韓国映画『ほえる犬は噛まない』をご紹介

 
「連続飼い犬失踪事件」の謎を解く女の子の奮闘記。

韓国の郊外、閑静な住宅街で連続して起きる、犬にまつわる奇怪な事件をきっかけに、普段はぐうたらで冴えない主人公ヒョンナムの心に、突然ヒーロー(←女だけど)魂が芽生える。正義感に燃えてひた走る姿は、不恰好ながら眩しくもある。ヒョンナムのような「ちょっとダメな子」が頑張っちゃうと、ついつい過剰に感情移入。いつのまにか「ワタシはヒョンナム」と、一歩入り込んで観ている自分に気づく。

しかしそれだけでは、ただの「女の子の成長物語」。そこにとどまらないのが、
この映画。

基本的に、登場人物は皆、地味で平凡な日常を送っていて、それが非常にリアリティをもって描かれている。しかし、劇中、そんなごくフツウな人たちによる、いささかエキセントリックな行動や想像の世界が、私たちの日常に極めて近い現実的な景色の中に突如として現れる。それも、実写ではなく、マンガやイラストような、非現実的な表現でもって。その「現実」と「非現実」がパズルのように組み合わさった映像(しかも流れる音楽はジャズ!)が妙にハマっていて、思わず惹きこまれてしまう。

さらに、見所は沢山ある。・・・でも・・・何故だ!うまく説明したいのに、何だか普段とは勝手が違う。この映画、本当に面白いのだが、オモシロどころを存分にお伝えするのがとても難しい。型破りで斬新なのは間違いないのだけれど。

そんなわけで、私のこの歯がゆい気持ちも踏まえて、この映画の魅力を一言で。

ずばり、・・・「つかみどころがないからクセになる」!!

正直なところ、派手な映画ではない。しかし、様々な要素、それも一見相容れないであろう要素が気持ちよく同居しているのがスゴイところだ。たとえば先にも書いたとおり、現実的なのに空想的。そして、シュールなのに暖かくもある。コメディなのに人間の心理を深く描いたドラマでもあるし、かなりユルいのに社会風刺の要素満載。
・・・・とまあ、あんなものやこんなものがてんこ盛り。それでいて、それぞれの具の量
もバランスも絶妙で、とんでもなくオイシイ、一体これは何だ??・・・・そんな、未知の、究極の料理みたいである。

いろんな角度から、いろんな楽しみ方ができる映画だとおもう。多分、10回見ても飽きないんじゃないかしら。

■作品データ/『ほえる犬は噛まない』
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、ソン・テウン、ソン・ジホ
音楽:チョ・ソンウ
出演:イ・ソンジェ、ペ・ドゥナ、キム・ホジョン、ピョン・ヒボン、
コ・スヒ、キム・レハ
配給:ファイヤークラッカー/2000年/韓国/110分

※10月より渋谷ユーロスペースにてロードショー

■『ほえる犬は噛まない』サイト
http://www.hoeruinu.com/

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佐分アナの近況
先月、夏休みをいただいて、ハワイに行ってきました。
実はワタシ、今回が生まれて初めてのハワイ!!
海外とはおもえませんでしたね、あの、「ニホンゴ、ダイジョブ〜」な感じ。
レストランの予約を取るときも、「モシモシー」・・・、
お店に入っても「イラシャイマセー」・・・。
危うく、「ワタシ、国内旅行中?」という錯覚に陥るところだったですよ!
ちなみに、シュノーケリングでウミガメと一緒に泳いだり、
ヨットでイルカの群れに遭遇したりと、意外と「海」な遊びもしたですよ。
あー!!楽しかった〜!!ウホホッ!!

   
 
 
    
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