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5月21日 今回は『北京ヴァイオリン』をご紹介!

早朝番組が終わって、眠さをこらえて映画館へ。
「眠かったら映画館の中で寝てやろう・・・」
などと思っていた私がバカだった。

この映画、侮れません。
映画の後半あたりから、館内にて驚きの現象が!!

“観客のすすり泣きの音で、若干、気が散る。”

斯くいう私も、たまらずナミダでした。

 

 父の夢は、息子を一流のヴァイオリニストにすること。
息子の夢は、そんな父の思いに答えること。

中国南部の田舎町。13歳の少年チュンと父リウは2人暮らし。母は、チュンが物心つく
前に亡くなった。唯一母が残していったのは、ヴァイオリン。チュンは母の形見ともいえ
るそれを、片時も離すことがなかった。
チュンのヴァイオリンの腕前は地元でも評判で、祝い事の席では必ず演奏を頼まれる
程。父リウはチュンを誇りに思い、成功を願って、毎日コツコツと働いた。チュンもそんな
父の想いに答えるべく練習に励んでいると、ある日、遂にコンクール出場のチャンスが
巡ってきた。2人は北京へ行くことになった。

夢を持って乗り込んだ北京で、チュンは様々な経験をする。
人との出会い、別れ。
チュンのために東奔西走する、父リウとのすれ違い。
そんなある日、隠されたある「秘密」の真相を知るチュン。
果たして、「一流のヴァイオリニストに」という親子の夢は、叶うのか・・・!!!

・・・見終わった後、もう一度、見たいと思った。
なぜかしら。
登場人物が、皆クセはあるものの、魅力ある愛すべき人々だから、かもしれない。
「音楽は心で感じるものだ!」とチュンに教えてくれた、捨てネコ大好き、清潔感ゼロの
チアン先生。はたまた、他の男に貢がせた金を一番好きな男に貢いじゃうダメな女、リリ(これが重要な人物だったりする)。…など、皆が皆、チュンの演奏に何かを感じ、自分の中で失いつつある大事なものを取り戻していく。そんな人々の、心の根っこの「善良」が、スクリーンの向こう側からじわじわと染み入ってくるのだ。

もちろんチュンも、みんなに与えるばかりではない。この13歳の少年は、人との出会い
を通して成長し、父リウの無償の愛に心から感謝する。そして最後、「自分にとって一番大切なもの」を、選択するのである。

ラスト、北京駅でのチュンの演奏は、「答え」を見つけたというゆるぎない自信と、優しさ
と感謝とに溢れていた。

時として、音楽は、心の声となる。
言葉に変換し切れなない、もどかしい気持ちまでも、届けてくれる。
チュンのヴァイオリンの旋律に込められた想いは、言葉を超えて、確かに、強く、リウの
胸に、皆の心に響いたに違いない。

・・・ハあぁ、胸キュンですなあ。
やっぱり、もう一度見たくなる!!

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