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 「橋下市長と教育改革」(2012/4/23)



教師(B)、医師(C)、弁護士(C)―。
辞書にはないが、場所によっては政治家もそう呼ばれる。
永田町の取材を始めた当初、議員会館に車が到着する度、
「○○先生〜」と玄関全体に響き渡るアナウンスが入ることに驚いた。

多義的な言葉とはいえ、Bについては、
誰しもに馴染みのある呼称ではないだろうか。
その「先生」を巡る議論が、最近注目されている。

先日、『激論!クロスファイア』の収録で、
橋下徹大阪市長に話を伺った。
原発再稼働、消費増税、防衛問題…話題は多岐に渡り、
教育改革も論点となった。
折しも、新学期。
橋下氏は、公立の教師を含めた公務員を、
身分ではなく、職業にしたいと主張する。

かつて自分も、公立の小学校に通っていた。
ある学年の担任の先生は、革新系の新聞を教材に使い、
進級すると、兵役経験のある担任の先生に、学級会で軍歌を習った。
低学年だったこともあり、近代史の詳細な知識こそないものの、
先生たちの主張が、明らかに異なることは分かった。
何が正しくて、何が正しくないのか。
戸惑いながらも学んだのは、
いろいろな先生がいらっしゃるということ。

教育の主役は、生徒である。
彼らの人格形成上、教師の多様性を認めた方が良いのか、
それとも、厳格な規律で管理した方が良いのか。
大阪に限らず、全国各地の“生徒だった人たち”にも、聞いてみたい。

「人生いろいろ、会社もいろいろ」と言ったのは、
小泉純一郎元首相だ。
歯切れの良さ、分かり易い対立軸。
橋下氏の政治手法は、しばしば小泉氏にも例えられる。
「○○旋風」と語って済むほど単純な話ではないが、
彼が今、風を集めている政治家であることは間違いない。

春風か、北風か。
散りゆく桜が、もうすぐ葉桜になる。

人生、いろいろ。
会社も、いろいろ。
先生も、いろいろ?



約20年ぶりに、母校を訪れました。
校区一帯が「馬込文士村」と呼ばれ、北原白秋や川端康成など、
文豪たちが暮らしていたそうです。



(4月14日配信)   

   
 
    
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