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9月1日 プレイバック・報道ステーション企画
『こんなに安く簡単に校庭が芝生になるなんて驚き!』

安くて簡単に作れる芝生。しかし、日本人の芝に対する考えを変えるのは容易ではないと言います。

ニール・スミス:「維持管理が大変だとか、お金がかかるとか、縄跳びができなくなるから芝生だめだって。縄跳びできますよ。野球とかサッカーとかイレギュラーが発生するから芝生だめだとか。」

  

ニールさんはラグビーのボールを持って、グリーンフィールドで実演をしてくれました。

ニール・スミス:「芝はね、何がいいかって、転ぶ恐怖心がない。」

「ほらね、どこが痛くなる?」

ボールを追って、芝にダイブをしてもどこも擦りむきません。

  

その言葉を裏付けるように、芝生にした保育園では、子供たちが思いっきり体を動かすようになり、さらに、救急箱を開けることがなくなったといいます。


小学生たちの50メートル走も変わってきました。
転ぶ恐怖心がないので、ストライドが大きくなり、ダイナミックな動きになってきたのです。

宮嶋泰子:「50m走り好きな人は手を挙げて!」

子供たち:「はい!!」「はい!」

子供たち:「芝生が気持ちいい。」
子供たち:「走りやすい。」
子供たち:「思いっきり転んでも大丈夫。」

ジュニアラグビークラブのコーチをしている佐野さんがこれまでの50m走のデータを見せてくださいました。

佐野孝行コーチ:「全国平均に比べて1秒以上速いですね。小学校2年のときに7秒台を出した子がいたんですよ。」

芝生は眠っている潜在能力を次々に引き出してくれるのかもしれません。

  

北京オリンピック陸上競技男子短距離王者となったジャマイカのウサイン・ボルトも子供のころから芝生の上でスポーツをし、今でも芝生のトラックで練習をしていることが報告されています。

ウサイン・ボルト:「アイアム・ナンバーワン」


さらに、芝生には意外な効果もありました。
鳥取のグリーンフィールドが地元の人々が集う大切な場所になってきたのです。

7月26日、そこでは地域の人々が集って納涼祭が行われていました。
夏の夕暮れ時、納涼祭には1000人を超えるお客さんが集まります。

  

住民:「気持ちがよくて、芝生。リラックスできて楽しいですね。」

地元実年団、壮年団のお父さんたちもボランティアで大活躍です。
焼きそばを調理しているお父さんを直撃してみると、あれ!

壮年団のお父さん:「ほらほらほら…」
宮嶋泰子:「わあ…はだし!」

壮年団代表:「ただ芝生にしただけなんですよね。基本的には。それがこれだけ変化をもたらすというのが面白いというか。」

集う場所を得て、お互いの顔が見えるコミュニティーが再生し始めたのです。

  

鳥取方式が注目されるようになり、今年に入ってから、ニールさんに講演や相談が急に増えてきました。ニールさんの講演をのぞいてみました。

「スポーツをしたい環境がないからスポーツ離れをしている。芝生さえ提供しておけば遊ぶんです。」


鳥取方式の芝生化は、今や全国区になりつつあります。
学校関係者や行政の人々が次々にニールのもとを訪れるようになってきました。

沖縄からトルシエ氏も鳥取にやってきて、グリーンフィールドを視察していきました。

さらに、学校の校庭の芝生化を進めている日本サッカー協会も鳥取方式に目をつけ、正式に技術提携を結ぶようになったのです。大阪の小学校では、子供たちに混じって、川淵三郎キャプテン自ら苗植えに挑戦しました。

ニール・スミス:「うまくできたね、6年生の三郎君」
川淵キャプテン:「わっはっは…」


  

広島県山県郡北広島町、ここにニールさんの影響を受けて、町をすっかり変えてしまった人がいます。

  

地元の総合型地域スポーツクラブ「どんぐりクラブ屋台村」で理事を務める関口昌和です。関口さんが仕掛け人となって、地域の保育園2つ、小学校2校、さらには中学校も芝生化を進めました。

芝の保育園で育った子供がずっと、成長しても芝の上で活動できる環境を整えたのです。

  

関口昌和さん:「ニールさんからの教えで、雑草を抜かないとか、除草剤をまかないとか、刈っていくだけでも芝生という、それを忠実に守っていやっていったんで、こう、きれいなじゅうたんができてしまうということで。」

  

関口さんたちが芝生化をした北広島町立豊平西小学校に足を運んでみました。


この小学校の校庭のグリーンは、費用5万円で出来上がりました。
山間のこの地では朝露が降りるので、水やりもほとんどしません。
ただ、一週間に一度、芝を刈るだけです。

小学生:「芝刈りはすごく楽しくて、とても校長先生もやっているときすごく笑顔になるから、その校長先生の笑顔でみんな楽しくやっているんだと思います。」

山本保秀校長:「今はじめて聞いた! 楽しい生活は作ってもらうんじゃない。自分たちで作り出すんだ。」

  
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