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9月8日 プレイバック・報道ステーション企画
『18歳デビュー シンクロ乾友紀子&酒井麻里子』

この1年間、報道ステーションで放送した宮嶋企画の内容をこのウェブに掲載する作業を怠っておりました。ごめんなさい。そのプレイバック企画、第3弾です。

北京オリンピック後、日本のシンクロナイズドスイミングの選手たちが全員引退してしまった後、注目されるデュエットの代表に選ばれたのは、当時17歳の二人でした。

この企画は2009年1月7日に報道ステーションで放送されたものです。
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プレイバック・報道ステーション企画
『18歳デビュー シンクロ乾友紀子&酒井麻里子』

窓から湘南の海が見渡せる神奈川県鎌倉市にあるミッションスクール。
賛美歌の歌声が聞こえてきます。
制服姿の酒井さんの姿がありました。


清泉女学院中学高等学校(鎌倉市)

酒井麻里子さん

酒井麻里子:「日本代表の酒井麻里子です。高校3年生です」


滋賀県近江八幡市にある私立高校。
昼食の時間、クラスメイトが作ってくれたクッキーをほおばっているのは乾さん。
箸が転がってもおかしい年頃とはよく言ったものです。
笑い声が絶えません。


近江兄弟社高等学校(滋賀県近江八幡)

乾友紀子さん

乾友紀子:「日本代表の乾友紀子です。高校3年生です。」


日本を代表するデュエットは初の高校生ペア。
日本のシンクロ界の将来はこの二人の肩にかかっているのです。

  

北京オリンピック、それは日本のシンクロ界にとってひとつの大きなターニングポイントでした。
デュエットでかろうじて銅メダルを獲得したものの、チームでは屈辱の5位に終わり、初めてオリンピックで、メダルを逃したのです。

  

宮嶋泰子:「北京オリンピックで失った日本のポジション、それをどうとりもどすか。その戦いは、マドリッドから始まりました。」


宮嶋泰子

新生ジャパン

北京オリンピック代表のほとんどが引退し、新しく生まれ変わった日本代表チーム。
12月にスペインのマドリッドで行われたワールドトロフィーで、高校生デュエットも
世界デビューをすることになったのです。

酒井麻里子選手は、10月の日本代表選手選考会で予想外のトップ当選を果たしました。

酒井麻里子:「あなた1番だからといわれて、もう言葉ではあらわせない感じで。」

金子正子シンクロ委員長が「10年に一度の逸材」と評価する酒井選手は、東京シンクロクラブ所属の選手です。


酒井麻里子選手

一方の169センチの長身と長い脚が魅力の乾友紀子選手は大阪の井村シンクロクラブ所属です。
16歳のときにジュニア世界選手権でソロ3位になって以来、将来を嘱望されてきました。井村雅代コーチが手塩にかけて育て、中国のヘッドコーチとなった後でさえも、合間を見ては指導をしてきた選手です。

井村雅代:「彼女はソロも好きなんですよ、珍しい子なんですよ。日本人はどっちかって言うと嫌いじゃないですか。ソロもすきやし、デュエットもチームもすきやというんです。」

  

大阪の乾と東京の酒井、ともに17歳の二人が一緒に練習できるのは、ナショナル合宿の時だけです。
北京オリンピック代表の鈴木原田の二人がかつて演じていた曲「ビバ」をつかってマドリッドの大会用に、1ヶ月半で、作品を作り上げてきました。


初めてのスペイン、マドリッド。


スペイン マドリッド

マドリッドの市庁舎に8カ国の選手が勢ぞろいし、いよいよ大会が始まります。
大会のスターは、地元スペインのジェマ・メングアルです。
テレビクルーが次から次へとメングアルに取材を申し込んでいきます。

そんな合間を縫って、乾さんと酒井さんもメングアルと一緒に記念撮影です。

メングアルが二人に声をかけます。
“Iwish you good luck for your carrier!”
これから、がんばってね。というと、さらにはこう付け加えたのです。
「表彰台に上がれるようにね」

  

世界のトップ選手を前に、高校生デュエットは、興奮気味。見るもの聞くものすべてが新鮮です。


このワールドトロフィーは芸術面だけで競われる大会です。許可されない水着や小物、特殊なメイクも許されます。電飾の水着も登場しました。いわばフィギュアスケートのエキシビションのような華やかさを演出して競い合うのです。

メングアルが着ているのは、片足だけがくるぶしまで覆われている珍しい水着です。
セクシーなレースのタイツをはいている選手もいますね。
スペインは電飾水着を用意してきました。
「キャット」の演技では猫もびっくりの本物メイクが施されます。
イギリスは靴を履いてシンクロの演技に挑戦するようです。

  

  

  

あっ、あの脚の長さは中国の蒋ブンブンとテイテイです。
あれ、北京オリンピックの時と比べると感じが違います。
二人は整形手術をして鼻を高くしたようです。これも美しさへの追求なんですね。
とにかく乾さんと酒井さんには驚くことばかりの連続です。

  

がらりと若返りを図った日本チーム。
その中でも最年少の二人がデュエットを組んでいるのです。
特に、酒井選手はおなかの痛みをこらえている様子で、精神的な緊張はピークに達していたようです。


さらに北京オリンピック代表だった鈴木原田の二人がかつて使っていた曲をつかっているだけに、その激しく速い動きは、二人を体力の限界まで追い込んでいきます。
大会直前というのに、ただただ苦しいだけ。
何かを表現しようという域にはまったく達していません。

二人のコーチとして現地に赴いた花牟礼雅代コーチも声を嗄らします。

花牟礼:「とにかく顔がぜんぜんついてなくて、ど素人が泳いでいるみたいだった。シンクロではない。最悪だった」


  

ジュニア代表ではなく、日本代表。
肩書きが変わっただけで、これほどまでに変わるものなのでしょうか。

酒井麻里子:「初めてAチームとしてスペインに来てずっとドキドキしているんですけれど、私たちでいいのかなって言う思いでいっぱいでした。」

乾友紀子:「やはり選んでいただいたからにはしっかり責任を果たさないといけないので、不安もあったんですけれど、ふたりでがんばって…」

  


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