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8月7日   北京五輪をより楽しむために Part2
〜日本選手を支える中国コーチたち〜

これは6月25日に報道ステーションで放送されたものを中心に書きおこしたものです。
実は日本の選手たちを教えるコーチの中には多くの中国出身者がいるのです。
中国国籍のままではなかなか海外遠征をするときに手続きが難しいので、日本国籍にしてしまう人が少なくありません。意外と知らない中国出身のコーチたちをクローズアップしてみました。
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「日本を代表して北京オリンピックで戦う選手たち。そしてそれを支えるために懸命に汗を流す中国人コーチたちの姿もありました。」

去年バドミントンの世界選手権で3位に入り、日本中の注目を集めているオグシオ。


小椋久美子 (24歳)   潮田玲子 (24歳)

小椋・潮田のダブルスがこの4年間で急成長してきた裏にも、中国出身のコーチの存在がありました。
元中国ナショナルチームメンバー、ティンチーチー、日本名 中島慶さんです。



中島コーチは自分の名前についてこう語ってくれました。

中島:「中島はほとんど深く考えずに、中国の中を取って、日本はきれいな島国で、中島とったんです。」


中国名:丁 其慶
日本名:中島 慶 (46歳)

海外遠征のためには中国のパスポートでは何かと不便なことから、親の反対を押し切って国籍を変えてしまった中島さん。
かつて自分が仕込まれた中国ナショナルチームの練習方法で、オグシオを鍛えます。

 

中島「ただ稼ぐ、稼ぐ、そういう問題じゃないだから、それは私一番嫌いな言葉ですね。海外の選手来たら、常に稼ぐ稼ぐ ・・・」

宮嶋:「では、丁さんはなぜ?」
中島:「私バドミントン好きだから」

 

中島さんがオグシオにこの4年間で教えたもっとも重要なことは、どんなに窮地に追い込まれてもそこから這い上がってくる精神力の強さ、たくましさだといいます。

日本の選手に中島さんはこう注文をつけます。

中島:「日本の選手が素直しすぎですよ。もっともっと自分の発想とか自分の考えもっと持っていてほしいですよ。すぐはいはい、返事はすごくよいけれど」

 

現在世界の女子ダブルスナンバーワンは中国です。オグシオが中国に勝つためにはどうしたらいいか、中島コーチは今その作戦を練っているといいます。

中島:「私の頭の中、絵を書いているの、今中国強い。勝つ可能性もチャンスもあると思いますよ」

3人で戦うダブルス。オグシオは確実に自信をつけ始めています。



 
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今から12年前のアトランタオリンピックに、高校1年生で出場した寺内健選手は、
その後シドニー、アテネとオリンピックを経て着実に力をつけて着ました。

1996 アトランタ五輪 高飛込 10位
2000 シドニー五輪 高飛込 5位
2001 世界水泳福岡 飛板飛込 3位
2004 アテネ五輪  飛板飛込 8位
2006 世界水泳メルボルン 飛板飛込 4位


2001年の世界水泳福岡大会で3位に入って以来、飛び板飛込みを中心にし、
今、充実の時期を迎えています。

寺内選手とスーエイさんにとって北京は4度目のオリンピックです。



中国名:蘇薇   日本名:馬渕崇英


寺内 健 (27歳)

スーエイさんが寺内選手を教え始めたのは今から17年前です。
中国のトップ10に入る選手だったスーエイさんにとって日本の練習環境は驚きの連続でした。

崇英:「必要なものがほとんどなかったんですよ。練習の施設がない、一貫としての育成環境、育成システムもない、時間もない、強化にかかる資金もない。」


そんな中、スーエイさんは自分で練習道具を工夫して、飛び込み王国中国のトレーニング方法に近づけようとしていったのです。

日本の飛び込み関係者が「目からうろこが落ちるようだった」と表現した陸上での練習方法は、今、日本でも、ようやく定着しはじめました。


 

寺内:「僕の原点やと思って、こういう練習法は。一番最初に、プールにもはいらせてもらえへん状態でこればっかりやっていたんで、今の自分の飛込みがあるとおもうんで。」

 

スーエイさんの努力と情熱の賜物。
寺内選手の飛び込みは超一流の域にはいってきました。

 


 
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