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12月6日 夢・始動

 
12月1日には東京の立川で車椅子レースの講習会が開催されました。
講師は土田和歌子さん、前場さん、畝さんなどパラリンピックの輝かしいメダリストた
ちです。

参加した52人の子供たちは、それぞれの経験とレベルに応じてクラス分けされ、それ
ぞれに指導を受けました。
初心者コースでは、車椅子をこぐための手袋の作り方を教えてもらいました。
レーサーにどうやって乗ればいいのか、その乗り方の指導もありました。

レーサーではどのように腕を使ってこげばいいのか、基本的な練習が繰り返されます。
将来のパラリンピック選手育成を視野に入れて、中学生や高校生には、より専門的な指導が行われます。

そんな中高生たちの練習を見ながら千葉さんが意外なことを口にしました。
「練習見ていて、おまえなんでフルパワー出さないのっていったら、わからないって言うんですよ。お母さんに聞いたら、日頃張り合ったことがないので自分でどこをどういう力出したらいいのかわからないって言われたんで、ビックリしたんですよ。
普段、養護学校も健常者の一般の高校も中学校行っても、同じレベルじゃないから競えない。どうしても。でもここへくれば同じレベルだから、すぐ競える、仲間にもなれる。
それがここのいいところでしょうね。」

なんだか、障害を持った子供にだけ言えることではなさそうです。最近ではスポーツを
する機会が激減している健常者でも同様のことが言えるかもしれないなと妙な納得をしてしまいました。

午後からは、子供たちのために、今回から2.5キロと、5キロの部門が新設された東
京車椅子マラソンのレースにチャレンジします。レースに出場するのは初めてという子
供たちがほとんどです。

ちびっこレーサー 最後は5キロのレースに挑戦!

千葉さんもコースに出て、子供たちを励ましながら走ります。
「身体起こして、息はいて、・・・」「ハイ!」
素直な返事が白い息とともにとても新鮮です。

千葉さんの熱のこもった指導

それぞれが力を出し切ってゴールしたときには小さな感動の渦が出来ました。

「途中ちょっと泣いちゃったけれど終わりました。」
「楽しかった!」
「またやってみたいです」
みんななぜがニコニコして話してくれるのです。

完走できた喜びの表情

ほとんどの人がゴールした後も黙々と走りつづける最終走者。
みんなの声援を受けながら懸命にゴールを目指します。
疲れてしまったのか、左手が言うことを聞いてくれず、車輪は左側にずるずると曲がり、溝に入ってしまいます。
そのたびに「よいしょ!よいしょ!」と声援が大きくなるのです。
ボランティアの方々も、保護者の方々も、すでにゴールした選手たちも、みんなが声を
かけてくれます。

車椅子レースの講師には土田和歌子さんも。

拍手に迎えられて、5キロのゴールテープを切った時は、なんともいえない感動が胸に
広がりました。

よくがんばったね!

こんなシーンを見てしまうと、千葉さんも、また頑張って子供たちにチャンスを作って
あげたいと思うのでしょうね。

「すごいですねみんな。」
「頑張ってましたよね皆。いい顔してましたよ。歯を食いしばって、横顔がきらきらしているの。子供たちを教えてるんじゃなくて、俺らが教えられているんじゃないですか。」

そう話してくれた千葉さんの顔も輝いていました。

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