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4月4日 素敵な女性コーチ!4月5日ニュースステーションで放送予定

 
素敵な女性コーチ! 4月 5日 ニュースステーションで放送予定

4月、新入社員の晴れやかな顔を見ながら、自分が入社した日を昨日のことのように思い出し…愕然。
すでにそれは四半世紀も前のことなのです。
思えばずいぶんと遠くへ来たものです。

ずっとスポーツの仕事にかかわっていると、かつて取材をした選手に、何年か後に偶然会うことがあるのですが、そんなときは本当にうれしいですね。
お互いの近況を話し合ったり、選手の時とはまた一味違う夢を聞いたり、ちょっとした同窓会のようなにぎやかさ。

昨年の秋、10年前に取材をした一人の長距離ランナーに偶然出会いました。
十数年前、日本を代表するランナーとして活躍した田村有紀さんです。

田村さんはかつて、もう少し頑張ればオリンピックの代表になれるという周囲の励ましから自らを追い込み、拒食症になってしまった経験を持っています。
45キロあった体重は30キロまで減り、生命を脅かす危険な状態にまでなってしまいました。

もう一度走りたいという気持ちだけを頼りに、2年の歳月をかけてリハビリテーションを行い、見事競技会に復帰。
当時、その走る姿は、多くの人々に感動を与えました。

10年前に、その模様をニュースステーションでリポートしていただけに、昨年久々に会った田村さんの表情が今まで以上に輝いていたのにほっとしたものです。

聞けば、27歳で結婚し、今は出水田姓を名乗っています。
拒食症のときに、医師に 「 一生子供は産めないだろう 」 と宣告されてしまったけれど、立派に女児を出産。
今年の4月には小学校に入学するまでに成長しているのです。

第一線は退きましたが、今も、日産自動車陸上部に所属し、同じ地域にある白鵬女子高校の陸上部のコーチをしているとのこと。
3年前にコーチを始めた時に、いきなり神奈川県で優勝するようになり、それ以来3年連続で京都の全国高校駅伝に出場を決めたというのです。

実業団に所属しながら、地域の学校のコーチをするというシステムそのものが、陸上競技では初めてのことです。
更には、高校生という多感な時期に、競技経験のある女性が身近でアドバイスをするというのも、とても興味深いものです。
ましてや有紀さんは人一倍多くの経験をしてきました。現役時代、辛さも喜びも誰よりも味わってきた選手です。

話を聞くうちに、私はどうしてもその様子を見てみたくなり、その場で、「 一度練習を見に行ってもいいですか 」 と取材を申し込んでしまったのです。

いやはや、その教え方のうまさ。
選手もコーチも女性。女性同士で通じ合うものもあるのでしょう。
とてもいい関係なのです。
男性教諭の監督とお互いに助け合いながら、一人一人に目を配りながら、チームをまとめていく手際のよさ。
現役時代にトップアスリートとして習得した技術やノウハウ、更にはものの考え方までが、すうっと生徒たちに浸透していくのが見ている者にもわかるのです。

昨今、学校内でのセクハラや、スポーツ指導における暴力などがクローズアップされていますが、こんなコーチがいたら、私もスポーツをしてみたいという高校生がたくさんいるはずです。

この模様はニュースステーションで 4月5日金曜日お伝えします。
お時間があったらぜひご覧くださいね。

   
 
    
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