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2月3日 岡崎朋美を追う騒動記?

首都圏は本当に雪に弱いですね。
1月26日の夜から降った雪は、私たちの仕事にも大きな影響を与えたんですよ。

まるで国体にあわせるかのように降った大雪。山梨県の富士山のふもと富士吉田では積雪70センチを記録し、ちょうどこの日、27日から冬期国体が始まりました。ニュースステーションの特集を作るために、大雪もなんのその、私、こけつまろびつの奮闘取材を敢行してまいりました
 
雪の中で宣言する朋ちゃん

初日の27日、我々を乗せたロケ車はタイヤをスタッドレスに履き替えて、チェーンもしっかり用意し万全の備えで朝6時にテレビ朝日を出発。雪がフロントガラスに吹き付け、ワイパーが利かなくなるのをものともせず白銀の世界を前進。運転手さんは「寿命が1年縮まる!」と悲鳴をあげながらも、中央高速をそろりそろりと走り切り、ようやく富士吉田に到着。滑り込みで開会式に間に合いました。

 

開会式で、注目を一身に集めていたのが、スピードスケートの岡崎朋美選手、ご存知、長野五輪の銅メダリストです。ワールドカップで転戦していたヨーロッパから、この国体の為に一人だけ帰国し、この日、選手宣誓を行いました。朋ちゃんが国体に出場するのは実に7年ぶり。いつも練習している富士急のホームリンクでの国体とあって、選手宣誓にも力が入ります。

声が寒空の中でどんどん高くなっていって、あれれ?途中で一瞬言葉に詰まってしまいます。
「岡崎がんばれ!」と観客席からも声がかかって、気を取り直した朋ちゃん、無事宣誓終了。
そういえば、オリンピックの宣誓でエドウイン・モーゼスもコメントをど忘れしたことがありましたっけ。この宣誓というのは競技よりも選手にとっては難関のようですね。
 
朋ちゃんのお母さん

「いやあ、自分でも何処まで声が高くなっていくのか心配しちゃいました。へへへ…緊張しちゃいましたよ。」最後は朋ちゃんスマイルでご愛嬌とあいなりました。

それにしても北海道の斜里からやってきた朋ちゃんのお母さんもこの雪にはびっくり。
「まあ、こんな雪、北海道でもそうありませんよ。斜里はオホーツク海に面しているので、雪はすくないんですよ。なんだか久しぶりの雪で、写真をたくさん撮っちゃいましたよ。」
さすが朋ちゃんのお母さんだけあっておおらかなこと、この上なしです。
 
急きょ電車で移動

ようやく間に合いました

初日に予定されていたレースが吹雪のために順延となってしまったので、私たち取材班も仕切りなおしで、翌日朝5時半、再び東京から富士吉田に向かいました。普段ですと早朝は自動車で1時間もあれば到着するのですが、28日はそうは、いきませんでした。

八王子から先の中央高速が通行止めになってしまったために、思いきって車を捨てて、八王子からJRにとび乗ります。たくさんの機材をどっこいしょと、電車に運び入れ、高尾へ向かい、そこから中央本線に乗り換えて大月へ。さらに富士急行の電車に乗り換えて富士吉田に向かいます。

雪の為に電車もスムーズに運行できず、途中駅に到着するたびに20分の停車。最初はレースに間に合わないとあせっていた私もついにあきらめました。気が付けば、早朝の疲れから、足元から吹き付ける暖気に包まれてシートの中で舟をこぐ始末。ようやくスケートリンクに到着したのは、会社を出てから5時間半後のことでした。ぐったり。

 

さて、ここで競技のお話を少ししましょう。
シングルトラックレース

スピードスケートのレースと言うとオリンピックのレースに代表されるように、二人でスタートして、決められたコースでタイムを競うダブルトラックレースを思い浮かべる方がほとんどだと思います。ところが、国体はシングルトラックと言って、8人の選手が同時にスタートする形式をとっているのです。タイムよりも勝負重視です。まるでショートトラックのレースのようですね。昔流行ったローラーゲームを思い出してしまいます。あっ、歳がばれる。

 
シングルトラックレースは難しい!

このシングルトラックのレースは結構テクニックが必要なようで、さすがの朋ちゃんも、転んで怪我だけはしたくないと、守りに入ってしまい、結果は大番狂わせの3位。第一コーナーで隣の選手と接触し、相手が転ばないようにと支えていたのですから、朋ちゃんの人の良さがそのまま出たレースとなってしまいました。

ファンにとってはちょっとがっかりだったかもしれませんけれど、レースは白熱して、観客も結構フィーバーしていましたよ。スケートは全部このシングルトラックにすればもっと人気が出るのにななんて言う人もいるくらいです。誰ですか?思わず賭けてしまいたいなんていうのは!
3位に終わっても
「楽しめました」と、この笑顔

3位に終わった後も、若い選手にせがまれて写真に収まったり、握手攻めに合いながらも、いやな顔一つせず、にこやかに応じている岡崎選手を見ていると、なんだかこちらまで、ほんわかとやさしい気持ちになってきます。朋チャンのモットーは「勝負にこだわるだけではなくてスケートを通じて自分の人間性を高めていくこと。」なんだそうです。こうしたシーンを見ていても、朋ちゃんがどんどん成長しているのを感じます。

朋ちゃんは29日、500メートルの決勝が終わった後、その足で成田に向かい、ワールドカップが行われるヨーロッパに旅立ちました。

取材をしている時間よりも移動のほうが長かった今回のロケですけれど、朋ちゃんの素敵な一面が垣間見られたのが大きな収穫でした。

それにしても、橋本聖子さんのころから取材で通いなれた富士吉田がこんなに遠く感じられたのは初めてでした。いやはや・・・・

 
スポーツ古今東西
 
モスクワ大会に始まり、ロス、ソウル、さらには冬の大会も経験し、シドニー大会がなんとオリンピック取材10回目になる宮嶋泰子アナウンサー。取材ではその選手の持っている「根」を掘り起こそうと歳甲斐もなく?大声を張り上げて走り回り、スポーツを縦から見たり横から見たりと大忙し!他とは一味違うスポーツ企画をこのコーナーでぜひお楽しみください。
 
 
    
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