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1月25日 ベジタブル王子、現る。


華やかな夜の銀座で、
かわいすぎるホステスさんに出会いました。

 
クラブMにて。


早乙女由香さん、24歳。
愛らしい顔立ちに、ゆる巻きのロングヘア。
潤んだ大きな瞳と優しいほほえみは、
心まで包み込んでくれそうな。

かわいいだけじゃありません。
そこはかとなく感じる芯の強さ。
その強さの秘密は・・・何なのでしょうか?!

実は由香さんは、
数万人に1人と言われる、
先天性感音性難聴という聴覚障害で、全く耳が聞こえません。
コミュニケーションは、筆談。

 
筆談中…


筆談って…不思議な魅力があります。
初めて会ったはずなのに、
とても近い関係のような、心と心で会話しているような。
話す時より素直になれます。
彼女の魅力がそうさせているのかな?
おかげで、将来の夢とか、内緒話もいっぱいしちゃいました。

「どうしてホステスの仕事をしようと思ったんですか?」
「母子家庭なので、限られた時間の中で少しでも稼げるようにと、
ホステスを選びました。
子供を大学に通わせるまでに1000万?かかると知って・・・。」

お気づきでしょうか。
なんと彼女には、愛する息子がいたのです!



手でパトカーのサインをしています!


今まで耳が聞こえない生活を受け入れていた由香さん。
でも・・・
「ママになってみて、初めてハンデだと感じちゃいました。
それまでは、色々あっても『慣れ』ていたんです。
他のママさんを見ると、
この子は私がママで幸せなのかな?とか劣等感を感じてしまったり・・・。」

その息子さんが、
早くも指文字(手話とは違うコミュニケーションの手段)やサインを
覚え始めていたのは衝撃でした。
彼にとって、お母さんとコミュニケーションをとるためには指文字が、
社会で生活していくためには、言葉を話せることが必要。
でも、話すことを教えられないもどかしさ。
「他のママさんは、子供に常に話しかけているんですよね。
私は無言で・・・
なんだかすごく情けなく感じました。」
「でも今はもう1歳半。1年半の間にだいぶ前向きになれました。」

ちゃんと話せるようになってほしいから、子供を保育園に通わせています。



大学の勉強中…


「息子のことをもっと知りたいから。」
そんな理由で、彼女は通信制の大学で児童心理学を勉強も始めました。

由香さんの強さの秘密、原動力は、コレでした。
彼女は息子のことを「かけがえのない存在」と言っていましたが、
かけがえのない存在って、
こんなにも人を突き動かすものなんですね。
彼女の場合はお子さんでしたけれど、
かけがえのないものって、人それぞれなんだと思います。

「結果はどうあれ、挑戦する。
挑戦なら、誰にだってできるということを知ってもらえれば…。」

そう綴った彼女の言葉に意志の強さを感じた、今回の取材でした。


   
 
    
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