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10月26日 神秘的な井戸


先日買った卵が夏に比べてやけに大きかったことに、季節の移り変わりを感じた松尾です。
鶏も夏バテを乗り切ったんですね。
二十四節季の『霜降』(この頃霜が降り始めるということだそう)を過ぎ、
いよいよヒンヤリしてきました。
テレビ朝日周辺では、
大晦日まで続くイルミネーションの試験点灯が行われ、
これから一気に冬に突入する予感がします。
皆さま、風邪をひきませんように。

さて先日、神秘的な光景を見ました。
半世紀ぶりに井戸が開封され、そこに立ち会ってきたんです。
50年間蓋をしたまま、開けられることのなかった井戸。

井戸があるのは、横須賀市浦賀。
周囲は、木々の生い茂る山に囲まれ、浦賀港との間に住宅地が広がります。


「太平の眠りを覚ます上喜撰たった4杯で夜も眠れず」
こんな穏やかなところに黒船が来たら、今でも仰天してしまいそう。


近くには『ロト』の宝くじが当たる?!と言われている叶神社があり、
浦賀湾の東西を結ぶ渡し舟でも有名な地域。


往復で300円、片道150円。


浦賀の鴨居地区は地下水が豊富で、たくさんの井戸が使われていたのですが、
水道水の普及により、埋められたり放置されたりしています。
それを、災害時に備えて再生しようというのが、今回の試みです。


こちらは再生事業で既に使えるようになった井戸。
新町町内会さん、ご協力ありがとうございます。


さてこちらは、洲崎町内会。
皆さんが集まって、ずっしりと重いコンクリートの蓋を持ち上げます。



井戸の神様に感謝。


いよいよ50年の封印が解かれる瞬間。
中はどうなっているのでしょうか?!


オープン!


眠りから覚めた瞬間、ヒンヤリとした空気が吐き出された気がしました。
空気の流れに逆らうようにして中を覗き込むと…
まるで山奥の清流のように、冷たく、臭いもなく、
息を飲むほど透明度の高い水を、井戸は満々とたたえていました。
50年間放置していたのに、どうしてこんなに澄み渡っているのでしょう?
疑問に地元の人が答えてくださいました。
「石が組んであって、少し隙間が開いているでしょう?
そこから水が出たり入ったりして循環しているんだよ。」


石壁から水が噴き出ていました。


井戸の深さは8mほど。
円筒状に石が組んであります。
石と石の間から地下水が出たり入ったりすることで、
水の量を一定に保ち、50年間自然に循環されていたそうです。
昔の人の知恵って、素晴らしい。
以前は、釣瓶を使ってこの水を引き出し、洗濯などに使っていたのだとか。

水圧を利用してポンプで水を吸い出し、掃除。
水を全て吸いだした後にあらわになった井戸の底には、
木材などのほかに、お茶の空き缶が一つ。
口の部分が現代のものと違ったので、
もしかしてもしかしたら、
50年前の人がうっかり落としてしまったものかもしれません!

井戸が再生されたことで、井戸端会議も復活?!
井戸が取り持つ地域のつながり、今後、大きな力を発揮しそうですね。


洲崎町内会の皆さん、ありがとうございました!


=おまけ=
秋の名残を感じた蚊の大量発生


カメラマンの腕が集中攻撃。


動けないのをいいことに、右腕だけで10ヶ所も刺されていました。
しかしカメラマンは蚊ごときには動じない!
刺されるがままになっているところに、プロ根性を感じました(笑)

   
 
    
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