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6月18日 南アフリカ通信C ブルームフォンティーン


「ブルームフォンティーン」、この名前は私にとって、忘れることのできない地名になりました。
身体に刻まれ、記憶に刻まれた、ブルームフォンティーン。
今回はカメルーン戦を振り返ります。

私の視線の先には常に「大きな背中」がありました。
「大きな背中」越しに、ブルームフォンティーンのピッチで闘う日本代表を見ていました。

本田の先制ゴール、我を忘れ、周りの角澤アナ、進藤アナと抱き合って喜びを爆発させました。
ただ、「大きな背中」はまだ座ったままでした。
そして、一言「最初のシュートがゴールだよ、決定率100%ね。」

残り時間15分、もう座っていられません。
立ち上がりながら、ピッチで闘う日本代表に、時につぶやきながら、時に大声で、ありとあらゆる言葉を並べ、
ただ、1対0というスコアで試合が終わることを祈り続けました。

しかし、「大きな背中」は座ったままでした。

ピッチで繰り広げられる、「勝利」の二文字を手に入れるための超現実的な闘い。
日本中の阿鼻叫喚を一同に集めた、日本代表の粘り強い闘い。
私は、アフリカの大地に全身全霊で立ちながら、時が進むのを必死に耐えていました。

そして、ゲームはロスタイムに突入しました。
ロスタイムは4分。
今までの人生で一番長く感じる4分間。

そして、ついに、「大きな背中」は立ち上がりました。

日本代表サポーターの「祈り」は「念」となり、
日本代表の11人は身を挺して、襲い掛かる不屈のライオンから自陣を守りぬきました。

試合終了のホイッスル。

私は真っ先に、「セルジオ越後」という「大きな背中」に飛び込んでいきました。
角澤アナ、進藤アナ、堀池巧さん、次々と飛び込んできました。
セルジオさんを中心に歓喜の円ができ、身体を寄せ合い、「至福の時」を満喫しました。

サッカーの不毛の土地と言われた日本にきて、種を植え続けてきたセルジオさん。
日本サッカーを心から愛するセルジオさん。
これまで日本サッカーの歩みを見続けてきた「大きな背中」は、ブルームフォンティーンでも日本代表を熱く見つめていました。

だからこそ、「ブルームフォンティーン」では、「ホット(辛さ)」が「ホット(熱い)」に変わったのだと思います。
さあ、次はオランダ戦、放送席解説、セルジオ越後が何を語るのか?
日本対オランダ、是非、ご覧ください。


セルジオさんとアナウンサー陣、ジョージにて。
 
 
    
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