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1月16日 大阪維新の熱、その行く末は!?

大阪ダブル選挙で圧勝した橋下徹市長の熱さは半端ではないですね。
わたしは、去年11月末のダブル選挙勝利会見から3回ほど大阪に行き、取材をしてきました。

会見では、橋下さんの発信力の高さが際立っていました。橋下さんは会見場にいる全ての記者からの質問が尽きるまで、基本的に挙手をした全ての記者の質問に必ず真剣に答えます。
ですから、勝利会見は3時間以上に及び、12月の市長就任会見でも予定を大幅に上回り、2時間以上に渡って熱弁をふるい続けました。
しまいには、記者の方が疲れてしまい、手が上がらなくなるという形です。
たぶん、記者の後ろには有権者がいて民意があると橋下さんは考えているのではないでしょうか。
そこに語りかける言葉ですから、自然と熱がこもるのでしょう。




橋下さんの話で特徴的なのが、
あらゆる既得権益に対して闘いを挑むという基本姿勢です。
その既得権益とは、例えば、大阪市役所に代表される官僚組織であり、外からのチェックが働かない教育委員会であり、巨大権益集団である電力業界であるわけです。

確かに、今の日本社会は様々な面で、こうした既得権益に覆われていて、前に進めなくなってしまっているという面があると思います。
東日本大震災では、電力業界の既得権益の大きさが明らかになりました。地域独占という絶対に倒産しない守られた環境の中、莫大な税金もつぎ込んで原発は各地に作られ続け、発送電分離も行われず、結果、電気料金は世界一高いものになっていました。

霞が関を代表とする官僚組織も絶対に倒産しないという甘えから、硬直化した仕事しかせず、しかも天下りや特権的な公務員宿舎など、自分たちの権益だけはしっかり死守するという悪評が尽きません。

そして、政治家も、国や地域を良くするという初心を忘れ、選挙で生き残ることしか頭にはなく、2世3世議員が跋扈するという、特権的な身分制度となってしまっていますよね。

橋下さんは、そういうこの社会を覆っている様々な既得権益をぶち壊し、新しい秩序を作ろうと、熱を発しているのだと思います。

例えば、橋下さんは、報道ステーションでの生出演で、『政治家の仕事は、非連続性への挑戦だ』と明言していました。
連続したものをこなすのが官僚だとすれば、それまでとはまったく違う新しいものを作り出すのが、本来の政治家の役目だと、橋下市長は力説していました。
『明治時代以来の古いシステムを改めて、新しい時代に対応するシステムにこの国の統治機構を作り変える!』とも語っていました。

今の日本は、これまでの古いシステムの中ですべてのことがうまく立ち行かなくなり、右往左往してしまっている現状があります。
既得権益にある者達がその特権を放さない訳ですから、そのしわ寄せとして、若者の失業率が特に高くなり、若い世代が夢を抱きにくい社会にもなってしまっているのです。

今回、橋下氏の大阪ダブル選挙圧勝を支えたのは、今まで政治にあきらめていた、そうした20代から40代の若い人たちでした。
これまで選挙には行かなかった彼らが、自分たちの行動で社会が変えられると考え、一票を投じ、維新の会を支えているのです。

去年、アメリカでは、ニューヨークを始めとする各地で格差撤廃を訴え若者たちが公園を占拠する運動が起きました。
また、中東では、アラブの春と呼ばれる若者を中心とした社会変革が起きました。
そして、日本では大阪で、既得権益を壊し今の時代に適応したシステムを探そうという新しい運動が始まっているのだと思います。

それは、既存の政治や社会の閉塞感にあきらめない、自分たちが参加して社会を変えていく!という、積極的な参加型民主主義です。

橋下さんが今のペースで訴えを続ければ、その参加型民主主義が、今年はひょっとすると日本中に拡がる可能性があるのではないでしょうか?!

果たして、橋下さんの行動が一時の熱で終わるのか、それとも明治維新のようにこの国を変革する巨大なうねりへと拡がるのか?

今年は、大阪維新の会の動きをしっかりウォッチしなくてはなりませんね。

   
 
 
    
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