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12月9日 ナノテクノロジーの可能性に驚きました!

先日、報道ステーションで、様々な可能性を秘めた不思議な水、
ナノバブル水の取材をしました。

酸素を含む、塩分濃度1%の状態のナノバブル水では、
淡水魚の鯉や金魚と海水魚の鯛や鰯が、
一つの水槽のなかで共に元気に成長を続けるという、不思議な現象が起きます。



さらに今回、この状態の酸素を含んだナノバブル水が、
がん細胞を減少させる可能性がある、
という注目すべき研究成果が発表されたのです。

ナノとは10億分の1を意味します。
ナノバブル水には、顕微鏡でも見ることの出来ない超微小の気泡が、
長い期間にわたって消えない状態で含まれているといいます。
そして、この状態の水が不思議な効果を生み出しているというのです。

この水を開発したのは、宮城県東松島市に住む千葉金夫さんです。
千葉さんは、元々、工場などの排水処理技術の仕事をしていたそうですが、
ある時、自らが開発した浄化装置の工場排水の周辺で、
水草などがどんどん勢い良く生えるという不思議な現象を目の当たりにしたそうです。
そこから、千葉さんの研究は始められたといいます。



そして開発されたナノバブル水は、
地元の女川市などで、すでに、牡蠣の洗浄に使われ、食中毒の被害が減ったり、
かまぼこの原料に使用され、かまぼこの粘性が増し食感が向上するなど、
様々な効果が高く評価されています。

さらに、今年の春から夏にかけて、
ナノバブル水を使用して水田で稲を育てたところ、
通常の水田の稲に比べて、茎の数が多く丈夫なものが実り、
さらに水田の中では、
ドジョウやカブトエビなど様々な生物も多数生息していたといいます。

千葉さんの発明には、様々な研究者や科学者が関心を寄せ、
最近では医療の分野でも、ナノバブル水の研究が進められています。

東京医科歯科大学の眞野名誉教授の研究によれば、
子宮頸がんの細胞株をナノバブル水で培養したところ、
24時間で約70%ものがん細胞が減少していたという
驚くべき結果が得られたといいます。
眞野教授は、ナノバブル水には恒常性を維持しようとする働きがあり、
異常組織であるがん細胞を排除して、
正常な細胞に戻そうとする力があるのではないか、
という仮説を立てているそうです。

様々な可能性を秘めたナノバブル水ですが、
なぜ、様々な効果を発揮するのか、そのメカニズムはまだ解明されていません。
また、本当にがん細胞を減らす力があるのか、ないのか、
これからの研究の成果が待たれるところです。

開発者の千葉さんは、地元宮城の小さな島の漁師の家に生まれました。
そして、何よりもこのナノバブル水が、
地元の農業や漁業など一次産業の振興に役立つことを願っているといいます。

日本の地方に根ざした、いわばベンチャーパワーが、
今まで考えられなかったような大発明を成し遂げる可能性を示していると言えます。
日本人の底力、そして地方の底力を改めて実感した今回の取材でした!


   
 
 
    
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