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11月28日 竜巻取材でのこと

8月から報道ステーションのリポーター(主に月曜担当)になり、
早4ヶ月が過ぎました。
現場取材では、思いもよらないことが起きるものです。

先日、北海道佐呂間町で起きた竜巻災害の取材でのことです。

当日休みで家にいた私の携帯電話が突然鳴ったのが、午後2時半ごろ。
「休みのところ悪いけど、大至急支度をして、北海道に向かってほしい…。」
いつもながら急な指令が番組のニュースデスクからかかってきました。

北海道佐呂間町へは、羽田から女満別空港までおよそ1時間40分のフライト。
そこからタクシーでとばしておよそ1時間、トータルで3時間ほどの行程です。
4時半過ぎの便に乗れば、何とか8時前には着く計算です。
それでもオンエアは9時54分からですから、
取材時間は1時間半くらいしかありません。

今回も時間との闘いになるなーと思いつつ、羽田空港でスタッフと合流。
無事、飛行機に乗り込み資料をまとめようとしたその時でした。
何と、飛行機の前輪に異物がささっているとの機内アナウンスが流れたのです。
飛行機は滑走路からいったんサテライトまで戻り、
搭乗者全員が飛行機から下ろされて、
タイヤ交換のために空港内で待つことになってしまいました。

「何でまたこんなときに…」気持ちはあせりますが、
文句を言ってどうなるものでもありません。
仕方なく空港内のテレビでニュースをチェックして情報収集に努めました。

ようやく修理を終えた飛行機がとび立ったのは、
約1時間半がたった午後6時20分ごろ。
そして女満別空港に到着したのが、午後8時過ぎ。
地元のタクシーの運転手さんに、降りしきる雨の中、精一杯がんばっていただき、現場に着いたのが、午後9時すぎでした!!

「もう50分くらいしか残されていない…。」
急ぎ現地の北海道テレビのスタッフの皆さんと合流。
規制線が張られている中、被害が最もひどかったところまで入り、一発勝負のリポートを収録。
すぐさま、中継車へ走り、テープを東京へ電送したところで、時刻は9時40分!
あと14分でオンエアです!!

そこからは、現場のスタッフの総力結集で、
大急ぎで中継の準備に取り掛かりました。
何とか一度だけリハーサルをこなして、
気づいた時にはオンエアが始まっていました。

竜巻で吹き飛ばされた現場の状況、
そして吹き飛ばされたプレハブの隣の建物にいて助かった人の生出演などを交えて現場からお伝えしました。
そして中継は無事終了しました。

今、振り返ると、やはりニュース現場は人と人のつながり、巡り合わせで成り立っていると改めて思います。

わずかの時間の中で、情報収集ができたのは、
現地北海道テレビのスタッフの皆さんが、
事前に取材した情報を丁寧に教えてくれたからです。
また、生出演してくださった方は、
たまたまわれわれの中継場所の目の前で、瓦礫と化した建物の片付け、管理をされていました。
私たちが声をかけてオンエア5分前に急遽出演に応じていただいたという経緯がありました。

限られた時間の中で、現場で起きていることをどこまでリアルに詳細に伝えられるかが、われわれフィールドで取材しリポートする人間の使命です。

次はどんな場所で、どんな方たちとの巡り合わせがあるのか?!
スーパーJチャンネルのリポートと合わせて、一回一回の現場を大切にしたいと思っています。

   
 
 
    
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