6 藤沢
藤沢宿の絵のテーマは「遊行寺(ゆぎょうじ)」 奥のちょっと高い位置に寺の門や本堂の屋根が描かれています。手前を流れる境川、渡してある木の橋は大鋸橋(今の遊行寺橋)です。そして一番手前にあるのは江ノ島弁天の一の鳥居です。江戸からやってくると、絵の向こう側から寺の前を通って橋を渡って右に進むのが東海道で藤沢の宿場町が続き、左に曲がると鳥居方向つまり江ノ島方面に向かうことになります。広重の絵では、江ノ島詣の人々でしょうか、列をつくって鳥居の方に歩いている様子がうかがえます。当時は歌舞音曲を職業とする目の不自由な人たちが江ノ島を多く訪れたそうです。
現在、広重が描いた場所と同じ様な所から見てみると…冒頭右の写真の通り。 手前には片瀬東浜まで通じている国道467号、交通量がとても多い道です。 右端ガソリンスタンドの奥に緑の大屋根が見えますが、あれが遊行寺です。
今は交差点の名前にもなっている藤沢橋が手前にあります。
そして奥に遊行寺橋が架かっています。
遊行寺橋の脇に江戸時代風の建物、これは何かというと…
なんとこれは「藤沢市の藤沢橋自動車排気ガス測定局」 自動車走行による大気汚染の状況を測定し、常時監視を行っているのです。 つまり、それほどここは交通量が多いという証しでもあります。 旧東海道をイメージし、景観に配慮した建物に、という訳です。
遊行寺橋を渡って道を進むと、寺の門があります。
遊行寺は正式名は 時宗総本山 清浄光寺(しょうじょうこうじ) 1325年 鎌倉時代の末期に開山した歴史のあるお寺です。 そして、ここは広重が描いた時代も現在も藤沢のシンボルです。