そして巨人キャンプのメイン球場である、サンマリンスタジアム宮崎に到着。

宮崎の人達は毎年巨人が来るのを楽しみに しています。	天然芝の美しいサンマリンスタジアム

「なんて美しい球場なんでしょうっ。うるっ。。」と、ひとしきり感動したあとグラウンドに目を向けると、いましたいました、スター達がいました。
清原・高橋・仁志・清水・阿部・ぺタジーニ・上原・桑田・・・・・・。
みんなホンモノ、そこを走ってるじゃありませんか！！！
この瞬間、僕はアナウンサーになったことを心から喜び、そして更なる気合いがわいてきたのでした。
「よーし、いざ接近じゃっ！」

しかーし！！！！！ このあと僕は現実を知ることになります。
選手に接近できるのは、メイン球場からブルペン、室内練習場からサブ球場など、移動の時だけ。しかも巨人のキャンプ地はモノすご〜く広いので、選手達は車で移動してしまうのです。つまり、接近できるのは車に乗り込むまでのほんの数十秒。しかもしかも、有名選手ともなれば新聞記者や各局の担当記者が周りをグルリ。
名も無い新人アナウンサー・清水俊輔の立ち入るスキは無いのです。。。ガクッ。。。
「オレは何をしに宮崎に来たんだ？顔を覚えてもらうどころか、選手の視界にも入ってないじゃないか！！」
苛立ったところで、なす術無し。こうして初日は終わっていったのでしたー・・・。

報道陣の壁は厚く・・・。

そこでワタクシ、考えました。どうすれば接近できるのかを。
「よし、とにかく動いて接近できるチャンスを探すしかない。ボーっとメイン球場で練習を見ているだけではどうにもならん。移動じゃ移動じゃ！！」
というわけで2日目のテーマは、フットワーク。
メイン球場、サブ球場、ブルペン、室内練習場、エアテント、とにかく走り回ろうと決意したのでした。
「うーん、やっぱり若さを活かさないとな。これで接近は間違いない、フフフ。。」
しかししかし！！結果的にこの作戦も失敗に終わるのです・・・。
前述の通り、巨人のキャンプ地はモノすご〜く広い。
メイン球場からブルペンなんて、小走りでも10分かかるんです。
判断を誤ると、その移動時間がムダになります。
2日目の僕は、まさにその典型。1日の大半を移動に割くという、本末転倒としか言いようがない結果に終わったのです。残ったのは疲れだけ。。。

清原さん待って〜。

残された日程は、あと2日。えっ？もう半分終わっちゃったの？？？
まずいまずいまずいまずい。このままでは焼酎を飲みに宮崎に来ただけじゃないか。
それでは東京に帰れん。
ここでワタクシ、ふと気付きました。
「この2日間、大物を狙いすぎたのでは？初めての取材で、ベテラン記者に囲まれた有名選手に近づくだなんて、欲を出しすぎなのでは？」うむ、確かに。。
「そうだ、若手を狙おう・・・。」
ようやく方向性が見えました。

3日目、僕は裏・裏を意識しました。メイン球場で主力がポンポンかっ飛ばしている時、サブ球場では若手選手が必死に白球に喰らいついています。そこを狙うことにしたのです。
そして行ってみると・・・、なんとなんと記者が全然いないじゃありませんか！！ 
お察しの通り、作戦は成功しました。
もちろん接近できる時間は数十秒ですが、他の記者がいない分、チャンスがゴロゴロ。
「こんにちは、テレビ朝日の清水と言います。」「何を意識して打ってたんですか？」「1軍に残る自信は？」など、何とか話し掛けることに成功しました。
これからプロの世界に飛び立とうとしているルーキー、これまで大きな実績が無く、がけっぷち状態で必死に練習する僕と同年代の選手、その日2軍から昇格し、何とかアピールしようと泥だらけの若手選手。
そこにはメイン球場にないものがたくさんありました。

２階席からの眺め。

最終日、僕も若手選手に負けないように必死に取材をしました。
そして、初めてのキャンプ取材は、あっという間に終わりました。
気付けば顔はうっすら赤く日焼けしていました。さすが南国、陽射しが違うぜ・・・。

初めてのキャンプ取材、なんだか時間をたくさんムダにしてしまった気もします。
でも、その分、多くを学び多くを感じました。
あんなに強い巨人でも、みんな必死です。プロの志を見ました。

そして何と言っても、やっぱり野球は楽しい！！
今年はどんどん球場に行こうと決意したのでしたー。来年もキャンプ行きたいな♪

憧れのプレスパス！