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10月27日   ワールドプロレスリング実況四銃士の闘魂コラム#90
<四銃士の10・9両国>〜新日本プロレス、ジュニア戦線異常あり!〜

2006年10月9日、両国国技館。
タイガーマスクが、ミラノコレクションA.T.との一騎打ちに敗れた・・・。
信じがたい結果、予期せぬ事態、まさかの展開であったが、
勝利を収めた当のミラノコレクションA.T.だけは、
この結果を冷静に予想していた。
勝ち名乗りを受けた時、
剥ぎ取ったタイガーのマスクを誇らしげに被っていたイタリアの伊達男は、
予告通りに虎狩を成功させた形となったのだ。

闘龍門6期生で、DRAGON GATEを経て
メキシコ、アメリカなど海外をベースに実績を積み重ね、
日本のプロレス界に逆上陸といった経歴を持つミラノコレクションA.T.。
2005年4月にフリー宣言して、
今年4月には全日本プロレスのリングに上がった。
7月23日のWRESTLE LANDで新日本プロレスに初登場し、
G1 CLIMAXが真っ只中の8月12日に両国国技館で
新日本マットへの本格参戦を開始した。
この原稿執筆時点(10月11日現在)までにWRESTLE LANDを3試合、
新日本メインのマットを14試合闘ってきている。
メキシコやアメリカで身につけた「ルチャ系」の
華麗でアクロバティックな空中技、
更に「1000のジャベ(関節技)を持つ男」との異名も持つ技巧派。
闘いの引き出しが多い選手。

しかし、そんなミラノコレクションA.T.が
持ち技のほとんどを出さずにタイガーマスクに勝利した。
かつてモデルの経験があるという長身と長い手足で
スタイリッシュに着飾り、リング上を艶やかに彩るイタリアの伊達男が、
この試合ではラフファイトに徹した。
隠し持つダークな一面を垣間見せた瞬間だった。

今回はノンタイトルの試合で、
ミラノコレクションA.T.が一方的に売った喧嘩を
タイガーマスクが買った形であったが、
これでタイガーマスクが持つNWA世界ジュニアヘビー級のベルト獲りへ
ミラノコレクションA.T.が本格的に乗り出すことになるだろう。
試合前にも
「この試合でタイガーマスクに勝って、
彼の持つベルトへの挑戦を認めざるを得ない状況に追い込んでみせる」
と話していた。
まさにその通りの展開になったといえる。

北米や欧州といった海外の団体からも
オファーが来ていると噂されるミラノコレクションA.T.にとって
タイガーマスクが持つNWA世界ジュニアヘビー級のベルトは、
是が非でも獲得したい勲章である。
蝶野やCTUとの良好な関係を築いており、
井上亘、田口隆祐、タイガーマスクと
新日本ジュニア本隊を連続撃破しているミラノコレクションA.T.の思惑は
着々と進行している。
同じ日に行われた金本浩二と稔の
IWGPジュニアヘビー級タイトルマッチの裏で
新日本ジュニア戦線にただならぬ影が広がり始めていた。

タイガーマスクの持つベルトの行方は、果たしてどうなるのか!?
新日本ジュニアの勢力図に、
突如、強烈なインパクトを刻むミラノコレクションA.T.から目が離せない!


次の時代を担うのはA. T.?
   
 
    
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