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9月8日   ワールドプロレスリング実況四銃士の闘魂コラム#87
〜櫻井が紐解くG1の歴史に、古澤が見た今年のG1!!〜


Reported by 櫻井健介


新日本プロレス真夏の祭典「G1 CLIMAX 2006」。
1年に1度だけ巡り来る「最強戦士決定戦」の季節がやってきたのです!
今一番強い「夏男」の座を争うのです。
新潟、横浜、大阪、愛知、両国で熾烈なバトルが繰り広げられました。



今年の決勝戦は、天山と小島の一戦だった

この大会は1991年に始まり今年で16回目となりますが、
大会が始まった当時というのは
時代の大きなうねりが起きていました。
日本国内では、1989年に昭和から平成へと元号が変わりました。
1990年は日本人初の宇宙飛行士となった
秋山豊寛さんが宇宙へと旅立ち、
世界に目を向ければドイツでベルリンの壁が崩壊されて
東西ドイツが統一されました。
そして、1991年には湾岸戦争勃発、
第58代横綱・千代の富士が現役引退など・・・。
「昭和から平成へ・・・」一つの時代の終わりと始まり、
時代の変遷が色濃く表れていました。

そんな時代の流れの中で、「昭和」に生まれ育ったプロレスも
「平成」の時代へと推移していくこととなります。
その時代が推移していく過程、
大きな時代のうねりの中で生まれた一つの象徴が
「G1 CLIMAX」という大会であったように思えます。

第1回大会では、アントニオ猪木と共に
「昭和」の時代を築いてきた長州力や藤波辰爾を
いきなり蝶野正洋、武藤敬司、橋本真也の闘魂三銃士が撃破し、
台頭するという下克上の展開となりました。
優勝したのは蝶野正洋で、後に「G1男」と呼ばれる出発点でした。
第2回も蝶野正洋が連覇しましたが、
第3回大会では長州力が右アキレス腱断裂で欠場を余儀なくされる中で、
藤波辰爾が孤軍奮闘。
ドラゴン健在をアピールして、
闘魂三銃士ら平成世代から覇権を奪ってみせたのです。
その後、蝶野正洋が通算5度の優勝、
長州力、武藤敬司、橋本真也、佐々木健介といったところが
「夏男」の歴史に名前を刻んでいきましたが、
1999年に再び新世代の台頭をみることになります。
第3世代と呼ばれる世代の1人・中西学が優勝したのです。
第3世代は他に永田裕志、天山広吉、小島聡らがいますが、
中西の優勝をきっかけにして「夏男」の仲間入りを果たしていきました。

そして今年、その第3世代の中西、永田、天山、
全日本プロレスに移籍をして5年になる小島らが中心の時代に、
新たな世代の波が押し寄せてきています。
7月にIWGPヘビー級新王者となった若きエース棚橋弘至の存在です。
また新日本プロレス史上
最強外国人との呼び声もあるジャイアント・バーナード、
雑草魂みなぎる苦労人の真壁刀義、
新進気鋭の山本尚史、
ジュニア・ヘビー級の重鎮・獣神サンダーライガー、
同じくジュニア・ヘビー級のカリスマ・金本浩二が
真夏の熾烈なサバイバルを繰り広げた今年のG1でした。


今年の覇者は天山!!


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Reported by 古澤 琢


ちなみに、
その新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」。
今年のG1はエントリー10人中8人が新日本所属選手で、
他団体の選手は全日本の小島聡と外国人のジャイアント・バーナードのみ。

バーナードは新日本プロレスを心から愛する外国人選手な

ため、彼も新日本色が強く、「新日本での最強」を決めるという
G1の原点に戻ったような大会だった。

G1は試合の勝ち負けとともにその試合内容が
厳しいファンの目にさらされる。
その中で毎試合ごとにファンの大声援を浴び輝いていた男がいた。

「ジュニアのカリスマ」こと金本浩二。
プロレスを良く知らない方に説明すると、
新日本では体重100キロ未満をジュニアヘビー級、
100キロ以上をヘビー級と分けて試合を行うことが多い。
その中で体重85キロとジュニアの中でも軽量ながら
現在のIWGPジュニアヘビー級の王者がこの金本なのである。


今年のG1を盛り上げた男

金本は元々このG1に出場するつもりはなかったという。
「あくまでG1はヘビー級の闘い、
ジュニア戦士には春にベスト・オブ・ザ・スーパージュニアがあるから」
と話していたらしい。

しかし、出場を説得する社員の
「G1は誰が強いか決める大会、ジュニアとかヘビーは関係ない」
と言う言葉に心を動かされ、出場を決意したそうだ。

それでもヘビー対ジュニア。
ボクシングが体重で細かく階級分けしてあるように
リングの上において体重が最低でも15キロ違うのは
決定的に不利なのは間違いない。

そんな中、金本は前日記者会見でこう話している。
「俺は真正面からやるつもりです。細かい技は使いません」
ジュニアヘビー級の選手としてスピードや相手の裏をかく戦いをするかと思いきやこの宣言である。

真っ向勝負の気持ちよさ、
あくまで強さを競うこのG1でのこういった発言と闘い方がファンの支持を受けるのだろう。
アニキ最高!!である


散り際も美しかった金本浩二
   
 
    
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