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10月30日   ワールドプロレスリング実況五銃士の闘魂コラム#130
〜初プロレス!!〜

少年野上慎平は、小学校の頃、バングラデシュで空手をしていた。
当時「男の闘い」を目の前で見た時
「自分もあんな風に強くなりたい」そう思っていた。

中学校から岡山県で陸上競技を始め、自ら格闘技をすることはなくなった。
格闘技を真近でみる機会も、ほとんどなくなった。


あれから十年あまりが経過し、迎えた2007年10月8日。
両国国技館。

久々に、格闘技を見た。いや「プロレス」を見た。
それも、最もマットに近いリングサイドで。
プロレス実況アナウンサー、3人の先輩の実況を横で聞きながら、「プロレス」を見た。

場外・リングサイドの机の上に2mの身体が飛んでくる。
マットに2mの身体がたたきつけられる。
予想を超える音。轟音。会場の声が消えるほど。
エルボー。キック。ラリアート。繰り返される打撃。
レスラーの目が腫れる。
一転、勝負どころ、レスラーの目が変わる。そしてまた目が腫れていく。
徹底的に同じ箇所を集中攻撃。痛めている箇所があるなら、容赦はしない。
男と男。魂のぶつかり合い。
プロレスラーは敢えて相手に胸を突き出してチョップを「打たせる」。
そして攻撃を受けた上で、自らも攻撃をやり返す。
「俺はお前には負けない。お前は俺には勝てない。」
己の意地の存在を強く示すかのよう胸を突き出す。
プロレスラーのあくなきまでの「強さ」の探求。「強さ」への執着。
2人の男の胸は赤く腫れあがっていた。

この日、両国国技館で計8試合を観戦した。
この日の最後の試合、IWGP王者をかけた、永田VS棚橋戦を見終えた後。
まさに「男の闘い」を見終えた直後である。
十数年前に感じていた「自分もあんな風に強くなりたい」というような思いを感じることはなかった。正直な想いはこうだ。
「すごい!!僕自身は、もう強くならなくて良い。
・・・これは、間違いなく自分には無理だ。」
そして大人になった私が「男の闘い」を見て感じたことはただ一つ。
「自分もこの‘男の闘い’を喋りたい。実況で、声で、闘いを、興奮を伝えたい。」
少年時代に馳せていた想いは遥か彼方へ。
「少年から大人」になって「闘いたいから喋りたい」に変わった想い。
この日感じた新鮮な気持ちはそのままにしておきます。


棚橋選手のジャーマンスープレックス!!ドドドン!!

「目には目を。歯には歯を」

遠い昔記されたハンムラビ法典は、
時を越えてセルリアンブルーのマットで証明される。

「チョップにはチョップを」


男には男を。魂には魂を。プロレスには野上を。
レスラーとほとんど違わぬファイティングスピリットを胸に、
熱き「闘い」を伝える為に、僕は僕の「戦い」をしていきます。

10月28日。二回目のプロレス。神戸に行ってきます!!
   
 
    
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