終わった瞬間、画面にはメッセージが!!番組スタッフからのサプライズ!!
明日は頑張ります!!ありがとうございます・・・(泣)
そして迎えた本番当日。
シミュレーションを通して先輩アナウンサーから僕に課された課題は、
「読むのではなく、伝えること」でした。
「田舎で孫の登場を楽しみにしている‘おばあちゃん’に伝えるように」喋れば良い。
先輩がくれたアドバイスによって、
自分が今まで難しく考えすぎていたことに気付きました。
少し「ふっきれた」自分。
でも・・・
緊張・キンチョー・超緊張。
小松アナが、直前に肩を叩いて「力抜けよ〜」と笑ってくれましたが・・・
ごめんなさい・・・変わらずガチガチ・・・。
本番中、僕の小さな目があちこちに動き回ります。
カメラを向けられると、じっとカメラを見る事が出来ない僕。
「何故目が動く?」自分で自分に聞きたいくらいです。
ところで、番組の中でスポーツコーナーは三度あるのですが、
二度目だけは、「確定」と言って「コーナーの終了時間」が正確に決まっています。
6時21分10秒。この時間がくれば自動的に終了。
それ以上喋りたくてもCMになってしまいますし、予定より早く終わりそうになっても、確定時間までは喋って場をもたせなければならない。
二度目の登場は、三度の中でも最も緊張するのです。
そして迎えた二度目の本番。
「お早うございます。スポーツです。」
この言葉から始まり、反省はたくさんあるものの、
必死にやっているうちに時間はあっという間に過ぎていきます。
しかし、このコーナーの最後に、やはり!予想通り!?やってしまいました・・・。
コーナー最後の話題は「セリーグ制覇できなかった落合監督が、
息子との約束(賭け)を守り、丸刈りにした」という話題でした。
新聞に書かれてあるその事実を伝え終えた後に、
時間がもう少し余っていたので、コメンテーターの吉永さんに話を伺いました。
「吉永さん、監督の丸刈り、いかがですか?」
・・・でました!!気合いが入りすぎて質問が思いつかず、
いわゆるかなりの「無茶振り」に。丸刈りいかがですか、と問われても・・・。
質問した後、猛烈に反省しました。
しかし、吉永さんは僕がまだ新人であるということも考慮して、
非常に丁寧に答えてくださいました。
そのお話を受けて、残りは7秒を切ったところ。
さぁ締めくくりに入ろう、と思った瞬間。
コメンテーターの末延さんが、続けて「君の髪型も落合監督に似てるじゃないか!!」と笑顔で、最高の話題を提供してくださいました。
最後の最後でラストパス。
しかも、丸刈り好きな僕にとっては絶妙なパス。これは「オイシイ」!!
答え甲斐がある本当に最高の「フリ」だったのですが・・・。
刻一刻と過ぎていく時間・・・。残り3秒。
もうコーナーを、終わらせなければならない時間。
「どーーーーしよう」ゴール手前で慌てる僕。もう「シュート」しかありません。
シュートコースを決めて、いざシュート。『それ!!』
「個人的には、髪は短い方が格好良いかなぁと思っています。」
早口になりながら、それでも笑顔で言えた僕。
『やった!言えた!』
残り1秒。最後の一言。これが決まれば試合終了。
焦りながらも何とか締めようとした僕が、それに続けて、
満面の笑顔で言った最後の一言。
「以上、スポーツです。」
あっ!
そう思っても時すでに遅し!!もちろん確定でCMに・・・
なんでよりによって、コーナーの最後で現在形なんだ!
しかもそれを「時間内に言えたーー!!」というような満足感溢れる、
最高の笑顔で言っているのです。
「以上、スポーツでした。」
シミュレーションでは何度も繰り返していたはずなのに・・・
今でも「何故そう言った?」と、自分で自分に聞きたいくらいです。
とは言え、シミュレーションではまともに話せなかった「破綻」という状態はなんとか免れ、「無事!?」終了した「デビュー戦」。
金曜日と土曜日の本番を終えてみて、やはり反省点ばかりです。
指摘もたくさん受けました。
それでも、田舎の祖母は喜んでいました。
「金曜日が待ち遠しい。」
電話越しにそう言った祖母は、僕がアナウンサーに内定した日から、
ずっとこの日を楽しみにしていたそうです。
決して祖母の為だけにスポーツをお伝えしているのではないのですが、
必死に喋っている僕を見て祖母が喜ぶなら、
それはやはり孫としてはとっても嬉しいことだなと、素直に感じた瞬間でした。
加えて、家族や親戚、恩師や友人からも、たくさんメールや連絡がきました。
その全て温かく、その全て力になりました。
初めて番組のスポーツコーナーを担当するに当たり、アナウンサーの先輩はじめ・スタッフ・コメンテーターの皆様に本当に支えられていると強く感じました。
そして、その皆様だけでなく、テレビの向こうで見てくれている、家族や、多くの「仲間」にも同様に支えられていることを改めて実感させられた2日間でした。
忘れてしまいがちなものほど、大切にしたい。
それがきっと本当に大切なこと。
「よーいどん」その瞬間を大切に。
「よーいどん」その瞬間を忘れずに。
このレース、自分らしく走っていければと、そんな風に思っています。
最後に、
番組スタッフによりますと、僕の一生懸命は、
「初々しさ」と「危なっかしさ」を帯びているそうです。
今しか出せないそれら(5年後もそうでしたらさすがに困ります・・・)を
ぜひ一度ご覧ください。
「成功ではなくとも、確かな成長を」少しずつの成長過程を、
視聴者の皆様と共に歩んでいきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。 |