前の記事を読む 次の記事を読む  

トップ > パーソナルトップ > プロフィールトップ > エッセイバックナンバー
 
 
5月10日 東京マラソン TO チャリティラン


銀座4丁目、日産ショールーム前を左に曲がり、
築地を越えたところが「35キロ地点」
通過タイムは「2時間35分08秒」と未だ5キロ22分30秒と続・好タイム!

あと残り7キロ!
よし!まだ大丈夫!!このまま行ける!!!

そう思った私の前に立ちはだかったのが、
聞きしに勝る最大の難所「佃大橋」でした!



上りはなるべく歩幅小さく、下りは力を抜いて体力回復!


高低差は15メートルほどとたいしたこと無いのですが、
とにかく長いぞこの上り。なにゆえそんなに長いのか。
ここでこれまで貯めにためていたバネをすっかり奪われます。
「ここからが本当のマラソン!」
そう実感する私に追い討ちをかける難所の数々。
とにかく渡っても、渡っても、橋だらけ。
「埋立地なんだから、全部埋め立てればいいのに」
草野球をしたこともある月島運動場横を通過すると、今度は「晴海橋」
すでに膝が思うように上がらない私にとって、
少しの上りもボディーブローの様に、実に堪えます。

よくショッピングなどで訪れるお気に入りの街「豊洲」の駅前は、
また沿道の声援が一際大きくなり、なんとか再びペースを取り戻したものの、
ここでまたも登場「東雲橋」



この辺りから表情も走りも激変!


短いけれど結構勾配のあるキツイ上りに、虎の子のスタミナも奪われ、
完全グロッキー状態!
それでも、下りに差し掛かるとそこに見えたのは

「辛いのは気のせい!」

というプレートをもった女子中学生の姿!
『そうだよね!きっとそうだよ!気のせいにしては苦しいけれど!!』
気力を振り絞って、彼女とハイタッチ!
坂下を左に曲がると、ついに『40キロポイント』
通過タイムは・・・「2時間59分53秒」
この5キロはあれだけばてても
22分45秒とまだ目標を上回るペースを維持!
「ここまでくれば、3時間10分を切れる!!」
まさに、最後の気力と体力を振り絞ってラスト2.195キロへ!

 

足だけでなく、腕も相当重い!
 
マラソンなんだから、これでなくちゃ!
それにしても何ゆえ
足は前に出ないのか!!


有明コロシアムを越え左に曲がり、臨海線に掛かる「跨線橋」が最終関門!
実はこの坂が一番の急勾配でした!
「もうゆりかもめなんて乗らないから!!」

 

ラスト1キロ!あと4分!外郎売1回分!!
 
ラスト500M トラック1周+100M。
そう思うとまだ長い!!


そして、12時20分過ぎ
号砲から3時間10分28秒後
スタートラインを跨いでから3時間8分30秒後
ついに

『フィニッシュ!!』

 

ラスト2人かわしました!
 
まるで優勝ランナー並みの「渾身のグリコポーズ!」

苦しさからの解放、そしてこみ上げる喜び。
「これがマラソンの達成感!」

シューズに着けたタイム測定用のチップと引き換えに、
完走の証であるメダルを首から掛けてもらうと、
体に満ちる一層の充実感!


人生初の月桂樹!右手は地デジの「5」

満足感とともに、下半身を襲う極度の疲労と闘いながら懸命に帰り支度。


後で送られてきた結果を見ると、男女総合グロス順位は1112位!
42キロ余りで、2400人近く抜いていたことに!



グロスタイム(スタート時からのタイム)での3時間切りは600人余り、
上位わずか1.8%という狭き門。


一度も途切れぬ沿道からの大声援に、大会を支える多くのボランティア。
3万人を超えるランナーが互いに励ましあい、同じゴールを目指す姿。
まさに「東京がひとつになった日。」を実感して、
ビッグサイトを後にしました。


 TOPランナーの表彰式では、取材で一緒に走った公務員ランナー
     川内選手と再会!あの苦しい坂で仕掛け勝ち取った「日本人トップの座」
     日本陸上界に名を残す快挙です!

それから、12日後。
3月11日午後2時46分。
あの忌まわしい地震が発生しました。

信じえぬ惨状。

その日以来、3月に入り、
日に日に増えていたランナーの姿をほとんど見なくなりました。

こんな状況で走って何になる。私を含めほとんどの人が
そう思ったでしょう。

目標にしていた「かすみがうらマラソン」をはじめ、
多くのイベントが中止に。

週末、球音が鳴り響いていたグラウンドも静かなまま。

日本中が自粛ムードに包まれました。

でも、一番怖いのは「自粛」が「委縮」になってしまうこと。

じっとしていても、何も変わらない。
であるなら、今自分が出来ることは、これまで通り走る
ポジティブな自分を取り戻すことではないか。

そう、決意したランナーの多くは、桜の季節を前に再び走り出しました。

そして、走りながらなにかできないか。

それがたった一人でも出来る「チャリティラン」
たとえば1キロ100円と決めて、1ヶ月間自分が走った距離に応じて
義援金を送るという取り組みです。

自分が走ることが復興につながると考えるのはおこがましくても
じっとして何もしないよりは、よっぽどいい。

私が所属する「やじうまランニング倶楽部」でも
有志でチャリティランを行い、ドラえもん募金へ。
http://www.tv-asahi.co.jp/doraemonbokin/



G.W.の初日 やじうまランニング倶楽部も練習会!
  〆のリレー戦で対決する 菅原アナと特別参加の飯村家ご長男!
  学年NO.1の快足で、菅原アナと好勝負!!


ランナー松尾も参加。いつの間に1キロ4分半で走る力を!?
メンバー入り確定ですね。


さらに練習中、偶然にも川内選手と再会!
実業団に所属しない市民ランナーですから、我々同様
普通に公園で練習しているんです。



 松尾が衝撃の一言 「脚触っていいですか!?」
菅原もちゃっかり便乗。


力を出し切り、レース後医務室に直行した東京マラソンでのゴールシーン。

この日の練習(2.148×15周!だったそうです)でも、
ゴールしたあとふらふらになっていた姿に、
少なからず感銘を覚えました。

「全力で ただひたすら 前へ。」

走るという行為は、自分の意思で足を前に運ばないと始りません。

今こそ強い意志で一歩前へ。

多くの思いが結束すれば、必ず道は開かれるはず。
そう信じて、私も走り続けます。



 市民ランナーとして史上初めて8月の世界選手権に出場する川内選手。
全身全霊の走りに期待大です!!
*******************************************************************

<<前のページへ
 
   
 
    
前の記事を読む 次の記事を読む  

トップ > パーソナルトップ > プロフィールトップ > エッセイバックナンバー