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2月12日   ニューヨーク支局報告 #8
〜デンバー出張は盛りだくさん!〜

いよいよ大リーグも大詰めのワールドシリーズです。
アメリカンリーグからは松坂、岡島のいるボストン・レッドソックスが、
ナショナルリーグからは松井稼頭央のいるコロラド・ロッキーズが出場します。
日本からの直行便が無いコロラド州の州都デンバー市は、
ロッキー山脈のふもとの広々とした街です。


空港に着いて外を見ると…
どこまでも続く大平原。

デンバー国際空港は標高1650メートルのところにあります。
「走るとすぐに息切れする」と聞いたので、
レンタカーの手続きをしている最中に外で200メートルほど全力疾走してみましたが、特に苦しくありませんでした。
なぜでしょうか。わかりません。


正面にトイレ、左に気になる黄色いマークが。

空港を出る前にトイレに寄ろうと探していたら、
見慣れない黄色い標識が貼ってありました。
近づいてみると…


これです、これ。
上にイラスト、下に文字が書かれています。

ちょっと遠くて判りませんね。
もっと近くに寄りますよ。


トルネード・シェルター。
つまり竜巻の時の避難所です。

コロラド州はアメリカの西部とは言え、
地図で見ると殆どアメリカの真ん中で、竜巻も多いようです。


奥を見ると銀色のドアが。
頑丈そうですね。

シェルターの中も気になりましたが、目的はワールドシリーズの取材です。
すぐにレンタカーに乗って球場に向かいました。


クアーズ・フィールド前。
ボストンに比べて皆おだやかな顔です。

コロラド州はビール会社「クアーズ」発祥の地です。
バドワイザーの広告もたくさんありましたが、
やはりクアーズには遠く及ばない感じでした。


おじいちゃんと僕にチケットをちょうだい!

球場周辺には「チケットを売ってくれ!」という紙を持った人がたくさんいました。
でも、ロッキーズファンは殺気立つ事もなく、
レッドソックスファンと仲良く混ざっているんですね。
ワールドシリーズは初めての体験ということで、
この時点ですでに満足しているように見えました。


球場の目の前、レンガ色の建物の左半分がスポーツショップです。

クアーズ・フィールドの正面を出ると、
道路を挟んだところにスポーツショップがあります。
ヤンキースタジアムもボストンのフェンウェイパークも、
周辺ではそこのチームの物しか売られていません。
しかし、このスポーツショップには大リーグ全チームのグッズが並んでいました。
ファンと同じように、のんびりした雰囲気です。


上段真ん中にカズ松井のユニフォームが!
輝いています。

上の写真も、よく見ると右下にレッドソックスのマイク・ローウェルのユニフォームが掛けられています。
対戦チームのレギュラー選手のユニフォームが売られているなんて、
ボストンでは考えられませんでした。


球場ちかくのスポーツバー。
まさに立錐の余地も無し。

ボストンでは対戦相手のファンに物を投げつけるヤカラもいましたが、
ここデンバーでは仲良く呉越同舟。
上の写真の赤ジャンパーや赤帽子の人は明らかにレッドソックスファンです。
他にも、両チームのファンがテーブルを囲んでいる、という光景も目にしました。


階段の踊り場から酔っ払いの警戒にあたる警察官。

それでも何をするかわからないのが酔っ払いです。
酔っ払い道では黒帯を締める私が言うのですから間違いありません。
この場に警察は必要です。ハイ、断言します。


レッドソックスが優勝した後のクアーズ・フィールド。
静かです。

レッドソックスがリーグ優勝を決めた時は、
興奮状態のファンとともに私たちも警察官に排除されましたが、
デンバーではそんな騒動も起こりませんでした。
時折り叫ぶレッドソックスファンを横目に、
ロッキーズファンは静かに帰路についていました。


球場から200メートル地点。
お寺と巨大な鐘がありました。

クアーズ・フィールドの近くにはお寺もありましたし、
日本の店がいくつか入った建物もありました。
そのうちの一軒の日本食の店を営業時間外に取材で訪れたところ、
試合前の松井稼頭央一家と松坂大輔一家が偶然いっしょになったようで、
食事をしていました。
挨拶だけして失礼しましたが、
皆さんニコニコしてとても充実した優しい表情でした。


優勝翌日、デンバー名物の料理を取材。
後日やじうまプラスで紹介しました。

ニューヨーク支局の山根将人カメラマンとエイミーが撮影しているのは、
コロラド名物の「ロッキー・マウンテン・オイスター」です。
コロラドは人間よりも牛の数の方が多いそうで、
その牛のある部分を揚げたものです。


これで約8ドル(900円)です。
量も多いし、安いと思います。

答えを書くと、これは牛の睾丸を揚げたものです。
子供でもじゅうぶんに噛み切れる固さで、味もあっさりとクセが無く、
ソースでも醤油でもケチャップでも何でも合いそうでした。


円心会館の本部道場。
館長車のナンバープレートも「ENSHIN」です。

もうひとつ私にとってとても嬉しい発見がありました。
取材で車を走らせていたら「Enshin Krate」の文字が見えたのです。
二宮城光氏を館長とする円心会館は、もとをたどれば極真会館のデンバー支部で、高校時代の私は当時「デンバー」という地名を聞いただけで心を躍らせていたのです。


記念に写真を1枚。
わずか1分の訪問でした。

今でもそれほど大都市ではないデンバーで、二宮城光館長はどんな苦労を重ねて何十年もこの道場を続けてきたのでしょうか。
私自身の20年以上に及ぶ想いとともに、その風雪の日々を想像してみました。
この日は残念ながら不在でしたが、
いつの日か二宮館長に直接お話を伺いたいと思いました。


向こうの白い屋根の数々がデンバー国際空港です。

ニューヨークに戻るために再び空港に向かいます。
今回はわずか2泊3日の出張で、
当初はワールドシリーズの取材だけを考えていました。
しかし、デンバーの人達の気質や珍しい食べ物、円心会館本部道場、
そして行く先々で助けてくれた地元の人々など、
たくさんの出会いと発見の詰まった3日間でした。
心から感謝です。
   
 
 
    
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