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3月11日   ワールドプロレスリング実況三銃士の闘魂コラム#137
〜リアル〜

2月17日の両国大会における中邑真輔の勝利で
2つのIWGPベルトをめぐる騒動に
ようやくピリオドが打たれました。
ホッとしているファンや関係者も多いことでしょう。


「一番すげえのはプロレス」
くーっ、何度聞いてもいい台詞です

しかしこれがまた新たなストーリーの始まりとなるのです。


突然ですが皆さんは「IWGP王者」と聞いて誰を思い出しますか?
アントニオ猪木?藤波辰爾?
長州力?


かつての王者 長州も中邑を称えた

武藤敬司?橋本真也?
藤田和之?佐々木健介?
永田裕志?天山広吉?棚橋弘至?


歴代最多の10度防衛 永田裕志


IWGP4度 G1覇者は3度 天山広吉


中邑の永遠のライバル 棚橋弘至

それとも他の歴代の王者でしょうか

皆さんが思い浮かべる歴代のIWGP王者が
「統一王者」中邑の前に敵となって
立ちはだかってくるとしたら・・・

中邑真輔の2・17の敵はカート・アングルでした。
試合前、試合中とも中邑選手は
「内容なんかどうでもいいからとにかく勝ってくれ」
と声援を受けたそうです。
IWGPに思い入れがある全ての人が
「中邑勝ってくれ!!」
と祈るような気持ちでいたことを考えれば
まず「結果ありき」は至極当然なことでしょう。

これが映画だったら中邑が勝利してハッピーエンディングです。
「よかった、よかった」と人々は余韻にひたって
家路を急ぐのかもしれません。
しかしこれは、カート・アングルの言葉を借りれば
「イッツ・リアル イッツ・ダム・リアル」
映画ではなく「現実」
「終わり」ではなく「始まり」に過ぎません。

中邑にはこれから次々と強敵が挑戦者として
名乗りを上げていくでしょう。
その彼らに中邑は勝利していかなければなりません。
さらに対戦相手だけでなく、過去の偉大な
チャンピオンたちとも闘わなければならないのです。

もちろん「とにかく勝ってくれ」という
ファンの思いもあります。ただアングル戦以上に
「俺たちを熱くする試合で勝ってくれ」と
ファンが求めるハードルは上がっていきます。
比べられるのは「かつて自分たちを熱くさせてくれた」
偉大なる王者たちなのです。


過去の偉大な先輩たちの想いが詰まったIWGPベルト

厳しい意見もあるでしょう。
野次にさらされることもあるかもしれません。
でもそれが35周年の歴史を作ってきた新日本プロレスの
エースが通る道なのです。
中邑選手が切り開いていくいばらの道の先には
間違いなく光が見えています。
「危ぶむなかれ」「迷わず行けよ」
こんな時にはあの猪木の言葉が思い出されます。
「賽は投げられた」のです。
中邑真輔の、新日本プロレスの新たなストーリーが
始まりました。

熱を取り戻した新日本プロレスの頂点
中邑真輔選手から目を離さないでください。
   
 
    
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