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2月14日   ワールドプロレスリング実況三銃士の闘魂コラム#63
〜2006年のプロレス実況〜 「表彰式で感じたこと」

1月4日の東京ドーム大会を録画しておいて後日見た。
メインイベントはIWGPのタイトルマッチ、
チャンピオンのブロック・レスナー対チャレンジャーの中邑真輔の試合。
実況は自分・・・毎度のことながら見ると結構へこむのである。


実況アナウンサーに視聴者は何を求めているか。
選手の生い立ち?2人の遺恨?
それともその選手が抱えている思い、悩み、怒りの表現?
技の名前?解説からいい話を絶妙に引き出す話術?
あるいは「いいから黙って試合に集中させて」
と思う方も多いのかもしれない。

いつも自分は何を考えながら実況しているか。
先輩たちが作り上げてきた実況スタイル、
自分の理想とする実況のカタチ。
あらためて考えてみると試行錯誤の中、
先輩が作ってきた殻を破ろう、超えようともがいている気がする。

ただ、プロレスに限らず実況に正解は「ない」。
全ての視聴者を満足させる実況は存在しないからだ。
しかも満足させたから「正解」というわけでもない。

むむむ、なんだか哲学的になってきてしまったので
もう一度自分の話に戻すことにする。

古澤の理想とする実況はこれだ

「1試合見ただけで、
闘っている選手の生い立ちやらここまでの歩みがわかって
今日の試合の勝敗がお互いの今後にどう影響するかの予想が入り、
だからこそ、この試合には負けられないのだという
選手の気持ちがこもったトーンで完璧に技の名前をいれ、
見ている人の気持ちが盛り上がる実況」

簡単に言えば「これを見れば全てがわかる的実況」である。
そういうポイントで自分が喋った(実況した)試合を見るわけで
毎回満足はいかない。
そしていつも決意を新たにするのだ。
「もっとうまくなってやる」
そういえば先日、中邑真輔にインタビューし
2006年の闘いのテーマを聞いた。
そこで彼は言った
「もっと強くなる」

大事なのは常に上を見る気持ちと努力を怠らないこと。
2006年の古澤の目標は
「一人でも多くの人の心に響く実況をすること」だ。

「迷わず行けよ、行けばわかるさ」
行けるところまで行ってみれば何かが分かるかもしれない。
理想の実況に向かって
   
 
    
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