2005年、新日本プロレスは新たな局面を迎えた。
毎回、ドーム興行には“神”アントニオ猪木の意向が反映するのだが、今回もアルティメット・ロワイヤルという総合格闘技とバトルロイヤルのミックスマッチが実験的に行われた。
今回はそのことについてではなく、棚橋弘至と中邑真輔のU-30のタイトルマッチがメインイベントとなったことについて、その意味を考えてみたい。
棚橋が28歳、中邑が24歳。
今後10年以上にわたって新日本プロレスを支えていくであろう2人が新年の東京ドームで高らかに「自分たちがエースである」と見せつけたのである。今年の注目はやはりこの2人だ。
ただ、その上の世代、永田、天山、西村は黙っていないし
ファンが完全に彼らをエースと認めたかもまだ分からない。さらに“神”アントニオ猪木が認めるかどうかもファンは意識するだろうから2005年は良くも悪くもこの2人を中心に回ることになる。
と、ここで忘れてはならないのが新闘魂三銃士のあと1人
柴田勝頼である。
今回はあごの骨折で欠場したがメインイベントをリングの下からじっと見つめていたのが印象的であった。悔しそうなわけでもなく羨ましそうなわけでもなく・・・強いていえば「お手並み拝見」とでも言いたげな表情であった。
棚橋とも中邑ともまた違ったスタイルのプロレスを目指し殺気を放つ柴田という男。この男が怪我を治しリングに帰ってきて初めて「新日本プロレス2005年がスタート」という気がしている。
スポットライトを浴びることが許されるのはごく少数の人間だけだ。
みんなが同じように弱い光を均等に浴びているようでは新日本プロレスに未来はない。
2005年、何かが起きそうな1年が始まった。
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