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1月4日 ワールドプロレスリング実況三銃士の闘魂コラム#28
       「宙に浮いたベルト」
 
 

IWGPタッグのベルトが宙に浮いている。
現在は第46代王者で鈴木みのる、高山善廣組・・・のはずなのだが、それは新日本プロレスの主張である。
では現実はというと、療養中の高山からベルトを託された佐々木健介が王者として鈴木みのるとベルトを持っている、というおかしな状況が生まれている。

そもそも最後に行われたIWGPタッグの防衛戦が7月19日。
翌月8月のG1で高山は倒れ戦線離脱した。
リングで防衛戦ができないチャンピオンタッグに新日本はベルト返上を命じた。そんな中、11月21日の後楽園で事件は起こったのである。
メイン後、鈴木みのるが呼び込み高山善廣がリングに上がった。
そのリング上で高山は佐々木健介にIWGPタッグのベルトを託したのである。観客は大歓声でこれを承認した。
思い返せば7月の防衛戦の相手はライガー、佐々木健介組、8月のG1で倒れた試合も佐々木健介戦。この二人の奇妙な因縁を感じる。
そんな流れで鈴木みのる、佐々木健介組という新「暫定」王者が誕生したのだが、当然新日本は認めない。このベルト譲渡を無効とし、改めて新王者決定戦として12月11日の大阪で鈴木、佐々木組VS棚橋、中邑組が決まった。

次々と外敵を招聘し、闘いを生みつづけた上井取締役が退社、新日本はかつてない混沌とした状況にある。
「王者は6ヶ月以内に防衛戦を行わなければいけない」というルールをたてに返上を迫った新日本には「外敵を追い出し新日本の選手で新日本を立て直そう」という企みが垣間見える。

ではベルトを奪い返せば外敵はもう用済みか。
答はノーである。
多くの声援が新日本の選手ではなく外敵に送られている現実。
ベルトも外敵が独占。先日、「外敵」長州力がリングに上がったがファンはブーイングではなく「大」長州コールで迎えたという事実。
これを新日本の選手がどう受け止めるのか。
現実を飲み干して次の時代を作るのは誰か?
ベルトを奪い返し、なおかつファンの声援も取り戻す。
棚橋、中邑組に期待がかかる。
彼らが「暫定」王者組にどう立ち向かっていくのか注目したい。

   
 
    
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