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10月20日  ワールドプロレスリング実況三銃士の闘魂コラム#19
          「武藤敬司に会った」


武藤敬司に会った。

横浜にある全日本プロレスの道場
待ち受ける我々クルーの前に、ほぼ時間どおりに姿を見せた。
今から1年ほど前にも僕は彼にインタビューしている。
全日本に移籍して2年8ヶ月が過ぎた。
天才は今、何を思うのか・・・

10月9日の両国、武藤敬司は新日本の後輩である西村修と組んで
新三銃士の棚橋・中邑組と対戦する。
かつて三銃士として新日本を引っ張り、天才の名を欲しいままにした武藤。
相手の新三銃士にこんなことを言った。
「後追いはオリジナルに勝てないんだよ」
静かな口調に自信がにじむ
「今年は武藤敬司20周年だからね。みっともねえとこ見せらんねえからな。今もトレーニングしてきたところだし、体調はいいよ」
1年前と変わらぬ穏やかな話し方。人なつっこい性格は何も変わってはいない。

不惑を過ぎレスラーのピークは過ぎてしまったかもしれない。
全日本プロレスの社長として3年近くが経った。
それでも天才にいささかのかげりは見えなかった。
「俺が新日本のリングに上がってどれだけの客をこっち(全日本)に持って来れるかだな」
「俺は世界のどこで試合をしようと、客の目を自分に向けさせる自信あるからね」
これだけ言って許されるのも武藤ならではか
新日本はこんな男をリングに上げようとしているのである。

まばゆい光を放つ天才と
3人の男たちがどう向き合い、闘うのか
光に飲み込まれてしまうか
光さえも触媒にして自らを輝かせるか
時代の扉は開きかけている

   
 
    
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