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4月23日 5月2日新日本プロレスの東京ドーム大会まであとわずかです!
いよいよ5月2日新日本プロレスの東京ドーム大会まであとわずかです。かつてドーム大会といえば、電流爆破デスマッチあり、負けたら引退という試合ありと見どころは様々でした。しかし今回は今までとは明らかに違います。
アントニオ猪木が立ち上げ、ストロングスタイルを標榜して来た新日本プロレス31年の歴史が根底からひっくり返るかもしれない大会なのです。

5月2日のドーム大会は全11試合。うち通常のプロレスルールが6試合、そしてヴァ-リトゥード、いわゆる総合格闘技が5試合あります。さらにそのヴァ-リトゥードもPRIDEなどでは危険すぎる為禁止されているヒジ攻撃なども全てOKにした特別ルールです。今回、実況を担当するものとして全ての試合に思い入れはあるものの、ヴァ-リトゥードから1試合、通常のプロレスから1試合についての見どころを語らせていただきます。

まず新日本プロレスの中邑真輔VSヤン・ザ・ジャイアント・ノルキアの試合から
中邑真輔は間違いなくアントニオ猪木のストロングスタイルを受け継いでいます。彼の発言の中にもそれは表れています。「僕はいつも闘魂を背負ってリングに上がっています」「プロレスラーがなめられたらたまらないですから」など、まさにかつてアントニオ猪木がプロレスこそ最強であることを証明する為、異種格闘戦に挑戦していた頃を彷佛とさせるコメントが彼の中からは自然とあふれてくるのです。これこそ「いつなんどき誰の挑戦でも受ける」と公言していた猪木イズムそのままではないでしょうか。その発言通り、中邑はデビューして1年にも満たないのに前IWGP王者安田選手に勝利し、昨年末の猪木祭りでグレイシーと総合ルールで対戦するなど、「プロレスこそ最強である」ことを体現し続けています。
その中邑真輔の対戦相手は2m11cm、体重141kgのヤン・ザ・ジャイアント・ノルキアです。中邑とは身長で23cm、体重で40kg近くの差があります。
さらにノルキアはKー1、PRIDEの経験も豊富、今回が総合格闘技2戦目という中邑にまず勝ち目はないようにも見えます。しかしここでまたアントニオ猪木の言葉が出てくるのです。かつて猪木が2m23cmの”人間山脈”アンドレ・ザ・ジャイアントと対戦する時に言った言葉「倒してしまえば身長は関係ない」これが全くこの試合にもあてはまります。元々キックボクサーでKー1にも出ているノルキア選手と立って戦っては勝負にならない。では倒してしまえば・・・

中邑は現在ロサンゼルスでトレーニング中です。様々なヴァ-リトゥードの道場をまわり特訓に励んでいます。中でも力を入れているのはタックルから相手を組み倒す練習。本人の中ではノルキア対策が出来上がりつつあるようです。

しかしノルキアも現在なんと高田道場(高田延彦、桜庭和志がいる「あの」高田道場です)でトレーニング中です。私が見に行った時にはグラウンドからの体の入れ替えを練習していました。こちらも準備にぬかりはありません。やはり勝敗をわけるのはまず中邑がノルキアを倒せるかどうかです。

PRIDEで活躍中の日本人エース桜庭和志は言いました。「プロレスラーは最強です」5月2日東京ドームはプロレスラ-が最強であることを証明する日になるはずです。少なくとも私はそう信じています。

 

もう1試合は通常のプロレスルールから。
一番最後に決まった試合、蝶野正洋VS小橋建太を
この試合を語る前にまず「風車の理論」からお話ししたいと思います。この「風車の理論」も”燃える闘魂”アントニオ猪木の言葉です。猪木はかつて相手の力を8とか9引き出した後、10の力で勝つことを信条としていました。簡単に言うとそれが「風車の理論」です。風車は自力では回ることは出来ない。風が吹くからこそ回ることができる、ということからこういう言い方をしているのだそうです。相手の良い所を引き出してこそファンは熱狂し、いい試合になるのだと。
一般的にプロレスに対して懐疑的な見方をする人が多いのは事実です。「あんなの嘘っぱちだ」「八百長に決まってる」などなど。
確かにプロレスにはPRIDEやK-1と違って、「見せる」部分があります。あえて相手の技を「受ける」という部分。しかしそれこそが「風車の理論」なのです。相手の技をくらっても立ち上がる、はねかえすことで自分の強さを表す。その相手の攻撃を受け切って勝てば、より自分の強さをアピールできる。かえせなければ自分の負け。これがプロレスなのです。

そういう意味でこの蝶野ー小橋戦というのはプロレスの頂点対決です。「相手の技を受ける天才」同士のぶつかり合い。新日本が誇る”ミスタープロレス”蝶野とNOAHが誇る”ミスタープロレス”小橋の時間無制限一本勝負。黒のカリスマ対箱舟の鉄人の試合はプロレスの魅力、素晴らしさを存分に見せてくれるに違いありません。

しかも現在小橋はNOAHの至宝と言われるGHCの第6代チャンピオンです。この戦いにベルトをかける必要はないと言われていた中であえて小橋はベルトをかけることを決断しました。小橋がチャンピオンになって初めての防衛戦(4月13日有明)に単身乗り込んで来た蝶野に対しての小橋の答がこれだったのです。
このGHCの新チャンピオンが誕生すれば、つまり蝶野が勝利すれば新日本プロレスとNOAHの間に全面戦争がぼっ発することは想像にかたくありません。策士蝶野がベルトを奪い去るのか、それとも豪腕小橋がベルトを死守するのか。

見どころの多いこの試合、勝負をわけるポイントは小橋の豪腕ラリアットを首に爆弾を抱える蝶野がうけ切ることができるのか、ここにあると思います。「21世紀の猪木、馬場代理戦争」新しいプロレスがここにあります。

遂に放送日時と番組タイトルも決定しました!
「史上空前のバトル 新日本vs究極王者軍」のタイトルで、5月3日深夜1時40分から4時30分までたっぷりとお楽しみいただきます。(関東のみ)
新潟地区は同じ番組を5月10日の深夜1時半から放送。その他の地区は、1時間バージョンで2回に分けて放送します。
ゲストはパンクラスMISSIONの鈴木みのる選手。解説は木村健悟さん、山崎一夫さん、「週刊ゴング」の金澤克彦編集長、「週刊プロレス」の安田拡了さん。実況担当は、辻よしなり、中丸徹、古澤琢、吉野真治です。どうぞご期待ください。

   
 
    
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