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夏のスイス〜アルプスの絶景に出会う旅〜 撮影日記

ユングフラウ鉄道
最高の季節に 最高のカットを!
今回のロケは2022年の6月から7月にかけて行いました。ヨーロッパ在住の撮影スタッフによるリモートロケです。日本では比較的感染者数が落ち着いた時期でしたが、まだマスクを外す人はほとんど見かけませんでした。一方、スイスでは、全く違いました。感染者数が落ち着いていたということもあるのでしょうが、外ではもちろん、列車の中でもマスクをしている人はほとんど見かけず、その違いに驚きました。
出発地のチューリヒでは、すでに日中30度を超える気温になっていたため、街の中央を流れるリマト川は、水遊びする人々であふれ、笑顔が弾けていて、その解放的な雰囲気に、正直、羨ましくなりました。外国を旅する楽しみは、文化の違いを肌で感じられるということですが、日本も早く、マスク無しの時代に戻れればなぁと切に思いました。
この時期は「スイスが最も輝く最高の季節」です。一歩、街を出ると鮮やかな緑の大地に色とりどりの花が咲き乱れます。この夏の一瞬の煌きを求めて、世界中から観光客が訪れます。
スイスは、これまで番組で何度も取り上げていますが、今回のルートは大きく、レーティッシュ鉄道ベルニナ線、氷河急行、ゴルナーグラート鉄道、ユングフラウ鉄道と、鉄道ファンにはおなじみのいわば「王道」をめぐりました。通常、ルート選びは極力新しい、撮影したことのないところを優先するのですが、今回は違います。これまで取り上げたことのある「王道」路線で、「最高の季節の、最高のカット」を撮りたかったのです。
撮影は日々、天気予報とにらめっこしながら進みます。もちろん事前に撮影スケジュールを決めているのですが、「最高のカット」を撮るためには、天気は最重要。晴れと曇りでは、抜けの空の色の違いで、本当に同じ場所かと思うほど、映りが変わります。重要な「車窓」や「列車の走り」を撮るタイミングが、極力、晴れの時間に当たるよう、パズルのようにスケジュールを組み替えていきます。今回は、ほとんどが山間部を走るルートなので、天気が目まぐるしく変わり、本当に苦労しました。それだけに、予報と読みがピタリとはまり、「最高のカット」を撮れたときの喜びはひとしおです。
ディレクター 真鍋 耕治
レーティッシュ鉄道ベルニナ線
ゴルナーグラート鉄道