©Nagaaki SATO

カナダ、バンクーバーに近いベインズ海峡。そこは地球に残された生命の聖域のひとつだ。冬が終わり春を迎える頃、壮大な生命のドラマがこの海でクライマックスをむかえる。海峡が一面白く染まるのだ。その正体は10億匹のニシンの産卵行動。海はオスの放精で白く染まり、その中でメスが海草に直接卵を産みつける。温帯雨林と海流が豊かな海をつくり、大量のニシンが産卵に集まり、それを狙う海鳥やトドが集結する。目の前で起こる生命の連鎖を目撃するのは水中写真家・佐藤長明。岩手・三陸の海を知り尽くし、「北の海の伝道師」と日本の水中写真界で異名をとる男。北の海のスペシャリストが奇跡の海に挑む。

1969年、宮城県南三陸町(旧志津川町)生まれ。
1992年から8年間の修業の後、2000年にダイビングサービスグラントスカルピンを設立。

現地型ダイビングサービスとしてそれまでダイビングポイントとして無名だった宮城の海を国内に紹介。
2005年には志津川漁協、南三陸町(旧志津川町)と協力して新ダイビングスポットのオープンを実現。
自ら撮影する写真により、生態観察と撮影の楽しさを広めている。