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12月19日 憧れを、恋に変えて何が悪い!?


 〜誰かを好きになって
   そしてその誰かも
   あなたことを好きになってくれたら
   そのチャンスを逃すな
   めったにないことなんだから――

クリスマス直前の寒い教室。先生が言った。
普段から真面目で目立たない先生が、受験生を前に
なぜあのタイミングでそんなことを言い出したのかは今もわからない。
だけど心に一直線で飛び込んできたまま、今も消えない。
映画館を出たその時、私は久しぶりに先生の言葉を思い出した。
息が白くなるほど冷え込んだ六本木の街並みは、
気がつくとすっかりクリスマス色に染まっている。
コートのボタンをもう一つ上まで閉めた。

*********************************
この『7月24日通りのクリスマス』は
恋に恋する地味な主人公・サユリ(中谷美紀)に届いた
最高のクリスマスプレゼントを綴った
超!王道・シンデレラ的展開のラブストーリー。
結末は予想出来ちゃうのに、1秒たりとも目が離せません。
 
なぜかしら?
それは多分、映画のどこかに必ずあなたがいるから…。
みんな愛を求めて生きていて、どこか欠けていて、
そこが素晴らしく愛おしく思える人ばかり。
この様々な登場人物の中に、必ず共感できる人物がいるはずなんです。
或いは複数の人物のある部分、ある部分ごとに共感してしまうかもしれない。

憧れの先輩が私に振り向いたら!?

サユリの身に、そんな考えたこともなかったことが起こります。
戸惑いながら舞い上がるサユリに
絶叫に近い共感を覚えたのは私だけではないはず…。
「わかる!わかるよ〜〜〜〜〜(><)サユリガンバレ、オマエナラ、ヤレル〜サ!」
 (↑この台詞、観れば誰の台詞かわかりますから★)

  大好きだからもっとずっと一緒にいたい
          大好きだから嫌われたくない
                         でも
                 大好きすぎて
  あの人と私、釣り合ってないかもしれない
                 大好きすぎて
   あの人の隣にいる自信が無くなっていく

相手を思うがあまり自己喪失になりかけるサユリを
現実に引き戻したのは、他でもない先輩の一言。

 「お前が好きなのは今の俺じゃない。」

サユリは今、
目の前にいる先輩のことを受け入れようとしなかったことに気がつきます。
ううん、そうじゃない。
サユリは突然、願ってもないチャンスを手にしてしまったので、
それが壊れる日がくることを信じたくなかった。
そんな日が来るなんて有り得なかった。
だからこそ、夢を見続けていたかった。踏み出し方がわからなかったんじゃない、
現実の先輩を受け入れられなかったんじゃない、
サユリはどんな手段をとってでも
この恋を続けられるような道を探していたのでしょう。
女の子はとかく「永遠」めいたものに憧れやすい生き物なのです。
そうですよね?!?(笑)

でも動き出した針はもう止めることは出来ません、少なくとも一人の力では…。
サユリの願いもむなしく(?)ふたりの恋はまだ加速するのです。
ここで王子様ことサユリの憧れの先輩・聡史(大沢たかお)です。
ここが一番素晴らしいのですが…

聡史はサユリのシンデレラ的な変身には関係なく、
彼女を見つめ続けていました。
ボサボサ髪のずり落ちた眼鏡姿のサユリにも、
真っ白なドレスを着たお姫様と呼ぶに相応しいサユリにも
「やっぱり笑顔のほうが可愛い。」と言ってのけるのです。
彼が好きになったサユリは外見ではなく
中身のサユリそのものだったのでした。

お互い同じように相手を疑い、自分に自信がなくなり、
相手を遠ざけるような言葉を投げつけてしまいながらも、
ふたりはようやく同じ道をスキップし出す事に―。

このスピードがいいではありませんヵ!
早すぎず遅すぎず、スンバらしく羨ましい恋の加速スピードです!

年に一度のクリスマス。王道中の王道!と言えるラブストーリー、
今やらずして一体いつやるんだ?
と言い切れるくらいこの季節に見ると、最高に心に直接訴えてきます。

恋人同士で観るなら負けじと仲良く観て欲しい。
恋人がいない人なら、心に思う人を思いながら観て欲しい。
でも一番観て欲しいなぁと思うのは、
恋の始まりのドキドキや煩わしさを忘れてしまった人、怖がっている人でしょうか。
「恋って悪くないな。」絶対そう思えます!!
それでも前に踏み出せない気がしたあなたには
「大丈夫、オマエナラヤレル〜サ!」と、
いたずらな天使があなたの背中を押してくれる映画です。
(あの時の先生にも、ぜひ観てほしいなぁと思います。)

作品データ
「7月24日通りのクリスマス」
原作  吉田修一
監督 村上正典
出演 大沢たかお、中谷美紀、佐藤隆太、上野樹里、阿部力、劇団ひとり、
    沢村一樹、川原亜矢子、YOU、小日向文世、平岡祐太 ほか
配給 東宝/2006/日本
※日劇PLEXほか全国東宝系にて公開中 
「7月24日通りのクリスマス」公式ページ
http://www.724-christmas.com/


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◇矢島ズ“近況”◇

りんごのマークの音楽再生機器がありますねぇ。
あの真っ赤なバージョンが出たんです。
真っ赤!!
まあ、なんてかわいいんでしょ!!
自分へのクリスマスプレゼントに買ってしまいましたヨ♪♪♪
軽さといい、かわいさといい、毎日の通勤が楽しみです。
私の好きなクリスマスソングは Fourplay 「The Christmas Song」です。
さむーい帰り道に聴くと、なんだかあったかくなる曲です。


 

 
 
    
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