「日本って、穏やかだわ〜。」
妙にじーんと感じていた、ある日の東京駅。
談笑しながら列に並ぶ大人たち、
カフェで読書する人、
タクシーだって、行き先を告げるだけで当然のように目的地に向かうことができます。
自分の好きなことに集中できるなんて、なんていい環境!
耳の奥にこびりついている喧騒が遠い昔のようです。
そう思える理由は、数時間前までいたあの国にありました。
変貌を遂げようとしている都市・北京。
乗用車の数は急激に増え、
空は曇ってスモッグに覆われています。
道沿いにはショッピングモールや超高層ビル。 |
中国中央テレビの新社屋だそうです。 |
オリンピックを前にした大胆な変化を見られるのは今しかないんじゃないかと思って、あえて降り立ってみました。
それにしても…いくら「息抜き」で来たとはいえ、
息を吸うだけで喉がピリピリと痛いのは、まいります!
Myバッグの中に4つの便利なアイテムを入れて、市内を散策。
ちなみに4つのアイテムとは、これです。
@中国元
ご飯を食べる、もしくはタクシーに乗ると、意外とかかります。
A筆談用のメモ帳とペン
タクシーの運転手は英語が話せないので、漢字で行き先などを書くと便利です。
Bティッシュは必需品
万里の長城など観光地でもトイレにペーパーが備わってないことが多いので必要です。
C北京市内の地図
地図は、道端の売店で15元くらいで売っています。
さらに、旅を安く済ませようと、地下鉄を最大限利用。
だいたい2元〜3元で、都心の主要駅に行けます。 |
基本は紙のチケットを買って
駅員に切ってもらう形。 |
北京っ子は、かざすだけで通れる
電子カードを持っています。
(東京のSuicaやPasmoと同じで
バスにも使えるそう。) |
そういえばオリンピックの開閉会式が行われる会場までは地下鉄が延びる予定で、現在工事中とか。
ホームに可動式の柵を作るという噂も。
そのお金はどこから出てくるのでしょう?!
バスも安価です。
空港へのバスは、北京駅、向かって右側の端っこ、
ちょっと外れた場所に乗り場があって、16元で行くことができます。
タクシーは…便利ですがバスよりは高いです。
空港まで行くとなると、道がすいている早朝で、メーターを使って70元〜80元。
ただし、メーター使おうとしないタクシーは、もっと跳ね上がります。
もしかすると、どこかに連れていかれるんじゃ…という不安すらよぎります。
くわばらくわばら…。 |
北京ダック |
みんなで北京ダックを食べて、遠出して万里の長城へ。 |
果てしない〜
みんな手すり側を歩くのか、階段がへこんでいます! |
ずいぶん急な階段で、往復3時間かかりました。
私は膝が笑っていましたが、
なんとスリッパで登っている逞しいおばさまがいたのには、仰天しました。
ちょっと小道に入ると、 |
胡同の街並み |
北京の人たちが生活している胡同(フートン)と言われる、
昔ながらの平屋が残っています。
路地で卵、肉、魚、日用品を売っていたり、 |
ガチョウの卵も売っていました。 |
クリーニング店があったり、お焼きのようなものを1元以下で売っていたり。
公共トイレはやっぱり、いわゆるニーハオトイレで、
(隣の人と「こんにちは」とコミュニケーションを取れるトイレであることから。)
ペーパーはもちろん、ドアどころか仕切りもありませんが、
これはもはや、文化なのでしょうね。 |
とある胡同の公共トイレ。中は仕切りがありません。 |
それにしても北京の女性は強いです。
あるお店にいた時のこと。
私の目の前で、二人の若い女性が取っ組み合いの喧嘩を始めたんです。
椅子は倒れるわ、テーブルはズレるわ、もう大変。
さらに、テーブルに置いてあった火のついたロウソクを、掴んで…投げた〜!
振りかぶった手の下にいた私にはアツアツのロウが降り注ぎ、
そんなことはお構いなしに、彼女たちは団子状になって店の外に流れ、
駆けつけた警察官に、事情聴取されていました。
警察官にも、噛み付かんばかりに怒鳴っている彼女たち。
あちこちに付いたロウを剥がしながら、
中国の女性は感情的でストレートだわ、と感じていた松尾でした。 |
ちゃんと看板どおり、右側に立っています。 |
一方で、少女がチケットの列に割り込んできた中年の男性を注意していたり、
地下鉄のホームで、降りる人を待って乗り込むお客さんもいたり、
もしかしたら、『マナー』も少しずつ浸透してきている…のかもしれません。
昨今の、オリンピックに向けて「こんな取り組みをしていますよー」という報道が、
一部を切り取ったアピールの意味だけのものか、
それとも本当に機能しているものなのか。
はたまた、ここで身につけた感覚やマナーを、
取り込んで浸透させることができるのか、それとも一時的なもので終わるのか。
でも…
パラリンピックも開催するというのに、人も車もすり抜けた者勝ちで信号無視。
こんなんで大丈夫? |