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Vol.22 (2007/03/08)  映画「さくらん」

カリスマ漫画家・安野モヨコの同名コミックを、
人気フォトグラファー蜷川実花が映画初監督した話題作。
今最も輝いている女性たちが名を連ねるこの作品。
「とっくに見に行ったわい^^」という方や「これからかな?」という方、
女子アナ☆試写室に掲載した『さくらん』レビューを転載します。
絶賛公開中の今だからこそ、覗いてみてくださいな^w^。

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萩野志保子 映画『さくらん』 を鑑賞
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女の女に対する関心の強さといったら、ある意味で、男のそれ以上だ。
このあたり、恐らくは殆どの女性が日々思い知っていることではあるまいか。
異性に抱く憧れとは別の、同性だからこその羨望と軽蔑の残酷がある。
同性だからこそ、自分もそうだからこそ、
その感情にはどこかで覚悟が伴うこともあるだろう。
生まれ持っての美貌。
ひれ伏すしかないその才能で、
吉原一の花魁となる「きよ葉」の人生を描いた『さくらん』は、
まさに女の中の女の映画だ。
公開を前にして(2007,1,19現在)、既に我々女達は興味津々である。
映画のダイジェストCMなどで目にする花魁「きよ葉」の土屋アンナに、
既に釘付けである。
貫禄十分の美しさにため息を覚えながら、
「きよ葉」がほくそ笑む彩色の映像に射抜かれている。
朱から紅、近くに迫ってくるような赤に翠。
挑戦的な花魁メーク、衣装。
むせ返る程に匂い立つ華々。
予告で既に心奪われた。私の場合。
あなたも?
アガル極彩色。

『さくらん』ワールドの主は、世界的フォトグラファー蜷川実花である。
今作が、劇場公開長編の初監督作品。
写真における、鮮やかな色彩と独自の世界観を
「江戸・吉原」舞台の時代劇に昇華させる。

監督:蜷川実花
原作:安野モヨコ
脚本:タナダユキ
音楽:椎名林檎
女性クリエーター、才能の結集である。

吉原の花魁
きよ葉:土屋アンナ
粧ひ:菅野美穂
高尾:木村佳乃

女による女の映画は、
お人形さんのように可愛らしいだけのものになってしまうのか?
答えはNO。『さくらん』はNOだ。
「女による女のための」慰め映画ではない。
「女の中の女」なのだ。「女っぷり」と言ってもいい。
だから、とてもいやらしい。
だって、女として生きるって、きれい事じゃ無理だもの。
とオンナの覚悟を見せつけられる。
性と生に満ちた映画なのだ。

個人的に、菅野美穂さんの高級花魁「粧ひ」にはぶち抜かれた。
妖気さえ漂う冷笑にゾクッとした。凄い。
印象的な台詞も多い。
映画で見ていただきたいので敢えて詳細は避けるけれど、
菅野美穂の「粧ひ」が幼い「きよ葉」を窘め叱る場面には、
ブルッとくる凄みが満載だ。

それから、男。
遊郭「玉菊屋」の店番・清次は、幼い頃から「きよ葉」を見守り続ける。
演じたのは安藤政信。
この清次がとても綺麗で可愛かった。
可愛さと男らしさは相反するものではありませぬ。
男らしいから可愛いくなる。
カワイイではなく「可愛い」と書く日本語の本来の意味を、
『さくらん』がオトコとオンナで教えてくれたのかも。

どういうことって?
そりゃあ観てのお楽しみでありんす。
♪作品データ♪
『さくらん』
監督: 蜷川実花
脚本: 黒木和雄、山田英樹
出演: 土屋アンナ、椎名桔平、成宮寛貴、
        木村佳乃、菅野美穂、永瀬正敏
ほか
配給: アスミック・エース/2007/日本
※2/24(土)シネクイントほか関東ロードショー、3/3(土)全国拡大公開
『さくらん』公式サイト
http://www.sakuran-themovie.com/

◇萩野アナの“近況”
明けました!今年もどうぞよろしくお願いいたします^w^
2007年早速めでたいことがありました。
娘猫ドンナに弟が生まれました!
これまたドンナの時と同じでひとりっ仔。
猫のくせに難儀な奴らですw
猫と言えば、3月10日(土)には映画「ドラえもん」も公開になります!
こちらも是非お楽しみになさってくださいね^^
それでは、皆さんいい年になりますように!
   
 
    
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