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Vol.21 (2006/12/25)  映画「7月24日通りのクリスマス」

「女子アナ試写室」からアナウンサーズへの転載シリーズ。
今回は完全に機を逸しました。
今更感満載かもしれませぬが、そこはひとつ、
映画の素敵さに免じて許してやっていただけると嬉し涙。
すべて怠惰な私のせいです。
ゆっくりクリスマスという希少な方にも是非おすすめです。
さあ、いってみよう。


映画コラム『7月24日通りのクリスマス』 萩野志保子

あの『電車男』の男女の設定を逆にしたラブ・コメディ。
観てみたいと思いませんか?
テイストは違えど、『7月24日通りのクリスマス』が、まさにそうなんです。

華のない、地味で目立たない女の子サユリ。
目立つときといえばドジを踏んだときだけ。
退屈な日常の救いは、大好きな少女マンガ『アモーレ・アモーレ』ベースの妄想。
出会う男性には自分で勝手に「王子様ランキング」をつけ戯れる。
もちろんリアルではなく。
あくまで勝手に妄想で楽しむ。
男性だけでなく、生活する長崎の町並みさえ、
サユリの妄想の中ではポルトガルのリスボンになる。
彼女はリスボンの「7月24日通り」を通り通勤しているのだ。妄想に助けられて。

冴えない毎日。
冴えない女の子。

そんなサユリを演じるのが、
『電車男』で電車憧れのエルメスさんを演じた
中谷美紀さん!
というのが面白いではありませんか。
エルメスさんが電車さん?(いや、「少女マンガさん」?)
美しい人が演じるドジで間抜けな夢見る夢子。
美しい人が演じる冴えない女の子。
これがとってもコミカルに、
また、ファンタジックなのに「ありそうな感じ」という絶妙な線で、
実にうまいこと表現されていて、
中谷美紀さんの演技力と製作チームの演出力に喝采です。

そして個人的にとても印象に残っているのが、
これまた冴えない女の子メグミ役の、上野樹里さん。
おっと、上野樹里さんが「メグミ」!というと色んな方面のイメージがよぎるかもしれませんが、
それはひとまず置いといて、
『7月24日通りのクリスマス』、
この映画の「メグミ」の話をします。
どこか一風変わった女の子。
一つ一つの所作、佇まい、発言、リアクション、どこをどう取っても何かヘンで、
それが「個性的」という評価に繋がらない、冴えない度の高さには目を見張ります。笑えます最高に。
上野樹里さん凄いです。
本当に多才な人なんだなあ、と素直に魅せられてしまいます。

そして、
何といっても少女マンガベースの妄想に欠かせない王子様をご紹介しないと。
サユリの(勝手な)王子様ランキング1位
奥田聡史。
憧れの奥田先輩は、卒業後、東京で照明デザイナーとして活躍しています。
学生時代もその後もキラキラの、憧れの王子様。
演じるは大沢たかおさんです。

大沢たかおさんの王子様っぷりにも、
素直に惚れてください。
今までこれといって興味がなかったという方がいたら、
きっとこの映画で、気づいたら好きになってしまっているでしょう。
ふふふ。
それほどに、この映画の演出は見事であります。
♪作品データ♪
『7月24日通りのクリスマス』
監督: 村上正典
原作: 吉田修一
出演: 大沢たかお、中谷美紀、佐藤隆太、上野樹里、阿部力、劇団ひとり、
        沢村一樹、川原亜矢子、YOU、小日向文世、平岡祐太 ほか
配給: 東宝/2006/日本
※11/18(土)より 日比谷スカラ座ほか全国ロードショー
『7月24日通りのクリスマス』公式サイト
http://www.724-christmas.com/

  
ニューススタジオにて
   
 
    
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