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Vol.17 (2006/08/11)  映画「カサノバ」

2006年4月14日号
貞操・純潔…。カーニヴァルの仮面の起源は…
「…」の秘密はコラムの中に!^w^
『18世紀の水の都ヴェネチアに、とっとと魅了されちまいなさいっ!」(偉そうですみません、これ自分に言ってます。)

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萩野志保子映画 『カサノバ』 をご紹介
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男は女が。
女は男が。
異性を愛しく思える映画です。

1700年代、18世紀のヴェネチアに生きた
稀代のプレイボーイとして知られる「カサノバ」の物語。
イタリアでは誰もが知っている「伊達男」の代名詞カサノバは
過去に何度も映画化されていて、
あのアラン・ドロンが演じたこともあるそうです。
私は過去のそれらを見ていませんが、
今作品の『カサノバ』を初カサノバとして鑑賞できたことは、
どうやらとても幸せなことのようです。いや、そうと決めます。
なぜなら。

今回の映画『カサノバ』はヴェネツィア完全ロケーション!
カサノバの伝説に欠かせない「18世紀のヴェネツィア」という要素を、
完璧に活かして映画にしてくれています。
実際のヴェネツィアの街を舞台に
18世紀の水の都を再現しているのですから「チャチさ」ゼロ。
のっけからその美しい街並、衣装、小物に至るまで、
バロック・ロココ調の世界に引き込まれていきます。
それだけでも充分に魅力的。

そして。
こうした心奪われる背景の中に息づく伊達男カサノバだなんて、
女性なら誰もがときめいてしまうわよん!!!
なんて、もの凄く安易なオンナになったセリフを吐きたくなるほど、
主役カサノバのセクシーさがチャーミングに描かれています。
容姿に恵まれ博学で知識も豊富、身のこなしはエレガント、
それでいて剣術はピカイチで強くて逞しい。
そんな「世界一モテた男」というカサノバを演じているのが、
『ブロークバック・マウンテン』でオスカー候補になったヒース・レジャー。
甘くて逞しい雰囲気で、色男カサノバの伝説に説得力を与えてる。
要は、これならしょうがない。感服。白旗。持ってけドロボー?
見事じゃありませんか。

こうしてロマンティックな喜びを
リズム感たっぷりに与えてくれる映画『カサノバ』は、
同時に、中世のカトリック信仰に基づいた西欧社会についてより興味を抱くきっかけも、
与えてくれています。
1700年代のヴェネチアは、ローマ教皇庁をトップに置く
カトリック社会のピラミッドの中にありながら独自の繁栄を遂げ、
「快楽の放任主義」とも称されたそうです。
カトリックに殉じて貞操、純潔に身を捧げるという姿勢を表面上取りながら、
修道院の窓を開けてカサノバをベッドに呼び込むシスター。
父親の前で純潔な少女を演じながら
カサノバとの一夜に妄想をふくらませ爆発寸前のお嬢様。
謝肉祭(カーニバル)での仮面舞踏会で入り乱れ愛を交わす男女。

―え?あの有名なヴェネチアのお土産にもなっている仮面は、
夫婦それぞれが大手を振って密通するためのものだったんだ!?―

謝肉祭の期間は、ゴンドラの中でもまた然り。

―え?ヴェネチア旅行名物のあの小さなゴンドラに屋根があるのは
そういうときの為だったの!?―

貞操という価値観を己に言い聞かせながらも
抗えない人間の情欲の激しさを、
シリアスにではなく敢えて軽やかなタッチで描いているのです。
それこそ技ある者にこそ許された演出能力。

監督ラッセ・ハルストレムは、
あの『ショコラ』でアカデミー賞にノミネートされた監督。
この方やっぱり、またひとつ徒者ではありませんね。
大人の中の大人です。

アメリカ制作ですので台詞は英語。
それでも「イタリア」を残す大事なキーワード、
「シニョーレsignore=Mr.」「シニョーラsignora=Mrs.」
「シニョリーナsignorina=Miss」だけは活かし。
この辺りもちょいワルな大人です^w^

♪作品データ♪
『カサノバ』
監督: ラッセ・ハルストレム
脚本:  ジェフリー・ハッチャーキンバリー・シミ
音楽: アレクサンドル・デブラ
出演: ヒース・レジャーシエナ・ミラージェレミー・アイアンズ
    オリバー・ブラット
レナ・オリンほか
配給: ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン/2005/アメリカ
※6月公開/テアトルタイムズスクエアほか全国ロードショー
『カサノバ』公式サイト
http://www.movies.co.jp/casanova/


テレビ朝日メイク室。
長年お世話になったメイク室のアイドルさんがここを辞められることに!!
10年前を思い出しながら、ひとまず最後のブローを記念に撮ってもらいました。

◇萩野アナの“近況”
昨晩新たに一曲完成。
ミックスに一晩中かかりましたが、心地よい疲労感。
やはり音楽はいいですね^w^

   
 
    
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