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Vol.9 (2004/10/05)  映画「スパイダーマン2」
 
スパイダーマン2
自腹リポートである。スパイダーマン独り見の図、とくれば迷わずホットドッグ。ザ・USAという感じで。でもってビール、は、やめて炭酸ジュースにした。アルコールにより覚醒する体質ならいいのだけれど、この日のフィジカルには自信が無かったから。なぜなら、急遽望んだ自腹鑑賞だった。その前に見た某試写会の内容が、残念ながら「残念賞」だったため、いきなりの自腹鑑賞に赴いたという構図。

パート2である。
今度の敵が最高にイカシテいた。科学者Dr.オットー・オクタヴィウス、『実験の失敗で金属アームと肉体が合体した科学者』である。自らの脊髄に接続した、知能を備えた4本の金属アームに操られ怪人に変貌する。この知能を持った金属の腕=アームの動きが、それこそ「ワーム」を思わせるクネクネの態。グロさと格好よさの境界線をいい具合に行き来していて凄くいい。このアームと自分の手足と合わせて8本なので、「ドック(Dr)・オク(オクトパス)」。要するに、蜘蛛男対蛸男。最高だ。
 スパイダーマンをいつから知っていたのかを思い出すのは難しい。
それくらい、物心ついたころから「知っているヒーロー」だったよね。いつ知ったかは思い出せなくても、その頃のスパイダーマンに対する「気分」は覚えている。
「気持ちわる格好いい」
そう。少しグロテスク、ここが最大のポイントに違いない。こどもの頃といえば、なんといっても「虫」が好きなもの(でしょう?)。少なくとも私は虫ほじりばかりしていたな。いじらずにはいられない、覗き込まずにはいられない、そのえも言われぬ魅力は、どこかしらグロテスクであるからこそに他ならない。「格好いいと気持ち悪いの境界線」に勝る「美」なんて、あるのだろうか。
 人でありながら、そのあたりを体現しているキャラクターがスパイダーマンではなかろうか。日本にも虫系キャラクターのヒーローがいるけれど、容姿にその面影があるからといって動きは人間。スパイダーマンは、人でも蜘蛛。高層ビルの壁を独特の蜘蛛歩きで這いつくばう様、あれが大好きでたまらない。
 今回のパート2。結論から言って、私は、よりこちらの方が好き。もちろんパート1も存分に楽しんだけれど、あるひとつの点にちょっとした違和感を覚えていたのだ。パート1では、スパイダーマンと敵のグリーン・ゴブリン、マスクと仮面のふたりだった。何が言いたいかというと、双方口が動かない。だもんだから、対決シーンが長くなると、口が動かない顔のアップワンショットにひたすらアテレコということに。これが結構笑える要素ではあったのだけど、あんまり頻繁で長いと多少しらけてしまったりするのも否めない。しかし、パート2の敵ドック・オクは、科学者ドクター・オクタヴィスにアームが着いた状態で、顔はまんま剥き出しである。これが良かった。役どころとしてのドラマ性に、より感情移入できた。
 逆に、個人的にはこれがかなりキモなのでは?とさえ感じている、なくてはならない違和感は健在。ずばり、メリー・ジェーンのヒロインとしてのモテモテ度。なんであなたが?とちょっとした嫉妬を感じずに入られない、このあたりが、すっかり私、制作陣にしてやられている証拠。

■作品データ/『スパイダーマン2』
監督:サム・ライミ
脚本:アルヴィン・サージェント
出演:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、アルフレッド・モリーナ、ジェームズ・フランコ、ローズマリー・ハリス、ドナ・マーフィー、他
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/2004年/アメリカ/130分

■『スパイダーマン2』公式サイト

http://www.spider-man.jp/

   
 
    
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