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Vol.8 (2004/09/30)  猫好き必見!映画「シュレック2」
 
今『シュレック2』?という皆様のお声が聞こえてきます。恐れ入ります。
実は7月の「映画メルマガ」に掲載したコラムなのでかなりのタイムラグ有。
もしや夏の恋しい方、ここは遅れて来た夏休みと思って、タイムマシンに乗ってお付き合いいただければと思う所存です(笑)↓

映画『シュレック2』をご紹介

donna 猫(ソマリ)

あえてスラングでの雄叫びでスタートさせていただくとしたら、「超ヤバイ!」 
アナウンサーとしては選んで使わない表現ですが、この映画の「あのキャラクター」のチャーミング度を伝えるのなら、こうしたスラングがしっくりくるかな。
今回のシュレック。激しく可愛くて憎たらしい、もうたまらないキャラクターが登場します。怪物シュレックよごめん。フィオナ姫よごめん。今回はこの子(こんな呼称あたりで感情移入の程をご想像いただきたい)のことだけ書きます。
この子を観るだけでも一見の価値あり!というくらいの最高キャラクターです(断言)。  
その子の名前は、「長ぐつをはいたネコ」。私はコイツ(感情移入エスカレート)のためにもう一回自腹きって観に行ってもいいとくらい思ってる。
会う人会う人に、「奥さん、いい猫がいまっせ〜」という言い方はさずがにしないけど、
それくらいの感じでコイツのことを言って歩いている。

いわゆる可愛いだけの「甘キャラ」ではない。このネコ、最高に鋭角なのだ。
日本で描かれる猫キャラクターというと、いわゆる可愛いおリボンキャラか、どこか抜けた脱力キャラか、逆方向に行けば化け猫か。もちろんそれぞれの味がまたそれぞれにいいわけだけど、『シュレック2』の「長ぐつを履いたネコ」は、そうしたメイドインジャパンの猫キャラとはまた趣が違う。
声は終始低音。羽のついた鍔広ハットをかぶり、剣を操りマントを翻しちゃったりして。
そんな怪傑ゾロを思わせる格好しているくせに、後ろの猫足はブーツの中に隠しちゃってるくせに、それでも「動物としての猫」であることが失われていないのだ。スペイン訛りの英語をしゃべりつつも、あくまで「食肉目ネコ科の哺乳類」。このスタンス、これがポイント。ネコ好きの人にとってはたまらん。いやもう最高ですよ。ネコならではの習性が演じられるたび、随所で爆笑、ときに悲鳴に似た感嘆(可愛くてたまらないときの、んいゃ〜!みたいな声です)を誘う。ある意味主役。コンピューターグラフィックスでの毛並みの表現力にも感服である。

そしてエンドロールでまた気絶。
コヤツの声がアントニオ・バンデラスだったなんて!!(試写の段階で、私、まったく知りませんでした。)怪傑ゾロスタイルにスペイン訛りの猫の声がアントニオ・バンデラスとは、あまりに洒落がきいてるではありませんか!!こうした小癪さが最高ですね。
(映画好きの皆様に、彼がゾロを演じたことがあるとかわざわざ説明するような,そんな野暮なことは致しません。)
でもって、その昔『ミ・ファミリア』という名作を観たときパンフレットで、「スペイン語が母国語の彼は10代後半から英語を学び始めてハリウッドに進出した」というエピソードを知って仰天したことがあったことを思い出す。あの時の衝撃は、アルゼンチン代表のサッカー選手バティストュータがサッカーをちゃんと始めたのが10代後半、ということを知った時と同じくらいのt(質量単位のトン)級だった。

最強の猫キャラをひっさげて再来日したシュレックシリーズ。
随所に毒があって、いかにも大人のファンタジー。
誰もが知っているおとぎ話を痛烈に風刺したり、有名な映画のシーンをもじったり、相当に趣向が凝らされていて、高等ジョークの笑いに興じる喜び、欲求を満たしてくれます。
そして更に、見事な「もじり」は心理的いじりに留まらず、視覚的にもふんだんに攻めてきてくれるからありがたい。
ビバリーヒルズをモデルにした「遠い遠い国」には、みんなが知ってるあのブランド、あのファストフードが、シュレック版として姿を変えて登場します。街の様子がスクリーンに広がるシーンは、ぜひとも隅々まで目を凝らして観ることをおススメします。
「シュレック2って言われても、1観てないし」という大人のお嬢さんお兄さん、心配ご無用です。なぜなら私も「1」観てない組の人だったから。
ね!さあ、ゴロゴロシャーッシャーッ全国猫まるけの夏休みを!

■作品データ/『シュレック2』
監督:アンドリュー・アダムソン、ケリー・アズベリー、コンラッド・バーノン
脚本:アンドリュー・アダムソン、ジョー・スティルマン、
      J・デビッド・ステム、デビッド・N・ウェイス
声の出演:マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィ、キャメロン・ディアス、
               ジュリー・アンドリュース、アントニオ・バンデラス、他
日本語吹替:浜田雅功、藤原紀香、山寺宏一、他
配給:UIP/2004年/アメリカ/93分
※7/24(土)より日比谷スカラ座他で全国ロードショー

■『シュレック2』公式サイト
http://www.shrek2.jp/index2.html

   
 
    
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