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12月1日 プロレス班員として…。〜第一章〜

第一章

プロレス担当としてプロレス班に仲間入りしてから、二年が経過しました。
あっという間です。本当に。

11月8日。両国国技館。
私の「後輩」が、プロレスの現場へ見学にやってきました。
入社1年目・板倉朋希アナウンサーです。

両国での試合が終わり、プロレスの感想を聞きたく、飲みに行こうと誘いました。
ビール片手にプロレスを語る板倉アナの瞳はなかなかいい感じでした。

「あんなに興奮したの初めてかもしれません。」から始まり、
技の迫力に驚いたこと。レスラーの鬼気迫る表情に男を感じたこと。
流血したレスラーを心配したこと。勝負をあきらめないレスラーに感動したこと。
多々語られた後に、「プロレス、あついっす!!!」と締めくくられました。

生まれて初めてプロレスを見たという板倉アナの感想は、
二年前、私が同期・大西と交わした会話を、そのまま再現したようでした。

プロレス担当当初、レスラーの顔写真をノートに貼り、
選手全員の顔と名前を一致させることから始めました。
右手にはテープレコーダー。左手にはプロレス技辞典。
隣には同期入社・大西洋平
観客席よりも遙か後方に立ち、少し遠くにある新鮮なリングを見つめました。
第一試合から第九試合まで約3時間半。
実況しない方が解説者役になりながら、
大西とひたすら交互に実況練習を繰り返しました。

声がかすれてしまうほど、戦いにのめりこみました。
頭の中が酸欠状態になるほど、試合に没頭しました。
感動を覚え、涙を流し、プロレスに惹かれていきました。

今もなお、あの時、あの大熱狂空間で感じた気持ちが、
私がプロレスを愛する原点です。

プロレスには、初めて観た人に、
ほとんど同じだけの衝撃と感動を与える力があると、信じています。
プロレスには、何度も観に来ている人に、
また観に来たいと思わせる力があると、確信しています。

つい最近、板倉アナが、
アナウンス部内でプロレス雑誌を読んでいたことが印象的でした。

「おい。板倉。………。……わかるよ。その気持ち。」
熱中していた板倉アナに、敢えて、声はかけませんでした。



イメージ写真です。

第2章へと続く…。
   
 
    
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