奈緒子:私たちのやっていたトリックが、また映画になるみたいですね。
上 田:そのようだな。だが、いつもと違う点がある。
奈緒子:確かに。今回は上田さん、出ないですもんね。その代わり、ハリウッドからものすごく大きな人が…。
上 田:そんなわけないだろ! 私が出ないでどうする!! いつもと違うのは、まず海外に行くという点だ! つまり、私がいよいよワールドワイドに活躍するということに他ならない。
奈緒子:海の外なら、これまでも、何回も行ってますけどね。ポケモン島とか、ハニカミ島とか。
上 田:黒門島と筐神(はこがみ)島だろ! いい加減なことを言うな!
それにな、今度の今度こそ、YOUとの腐れ縁もこれまでだ!
奈緒子:本当に最後、ということですね。望むところだ!
上 田:泣きたいくせに、無理しやがって。いいだろう、今日のところは見逃してやろう。ただ、この場では、私たちにある任務が与えられている。それは、この会話が図らずもイントロ的な役割を果たしていなければならないということだ!
奈緒子:なるほど、じゃあさっそく、それを果たすとしましょう。
上 田:そもそもYOUは、イントロダクションの意味が分かっていなんじゃないか? 相変わらず、恥ずかしい女だ。
奈緒子:バカにしないでください! それくらい分かってますよ。イントロというだけあって、マグロの中でも特に極上の…。
上 田:YOU! わざとやってないか? ……オレのことが好きなのか?
奈緒子:バカ上田! 私たちの冒険には、序文やはしがきなど必要ないということだ! すべては映画の中にある。
上 田:ふんっ、YOUもなかなか言うようになったじゃないか。図らずも、私が言わんとしていたことと同じだ。
奈緒子:ウソつけ! とにかく、皆さんには、私たちのトリック最後のお祭り、ラストステージを存分に楽しんでもらいたい。それだけだ!
集え同志! 集え若者!
集えそれなりの年齢の人!
トリック最後のお祭り騒ぎは、
今から始まる!