年々増え続ける交通事故。救命医療の発達によって命を取りとめたものの、
新たな苦悩を強いられる人が増えている。
肉体が回復する一方で、脳に大きなダメージを受けたために負う後遺症。高次脳機能障害。
その主な症状は、様々であり、その症状が重い者は、日常生活に大きな支障をきたし、社会復帰は極めて難しい。
一見しただけでは分からないことも多く、この障害を十分に理解している医師は少ない。
そんな「見えざる障害者」は、全国に20万から30万人とも言われているが、医療・福祉制度は十分でない。
ここにきて、厚生労働省は、ようやく高次脳機能障害者を認定するための基準や支援するプログラム作りをはじめた。
救命医療で命をとり止めた患者の多くは、高次脳機能障害と見抜かれないまま退院を余儀なくされている。
そして、以前とはまったく違う「別の自分」に、何年もの間、本人も家族も翻弄されて暮らしている。
その現状を描き、彼らを救う福祉/医療とはなにかについて考える。
(制作:朝日放送)
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「高次脳機能障害と闘う藤村亘(わたる)さん 21歳 大学3年生 ギターは趣味」
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