1998年12月6日「火ばかりが待ち望んだもの ~陶郷に届いた祖国の炎~」
 鹿児島県の山間の里、美山は大小13の薩摩焼きの工房が集まる陶郷である。ここに焼物の技術が伝えられて400年の今年、陶工たちは祖国である韓国に窯の火を分けてもらうために旅立った。そして、かつて祖先が強制的に連行された同じ道を辿って美山に運ぶという。陶工たちの胸中には「火ばかり」と呼ばれる茶碗に込められた先祖の念がある。土、人、釉薬もすべて韓国の物で唯一火だけが日本の物を使って作られたことからこの名前がある。400年前は持ってくることのできなかった火が美山に届くまでの道程を作家鷺沢萠とともに見つめ、そこに繰り広げられる祭典の意味を伝える。
(制作:鹿児島放送)

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