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身近にある有毒植物

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2023417日(月)

「山菜の誤食」

様々な植物が芽生え始めるこの時期は、有毒植物の誤食に注意が必要です。
東京都薬用植物園で山菜の有毒植物について学びます。
山菜の「ニリンソウ」と似ているのが、有毒植物の「トリカブト」です。誤って食べてしまうと、おう吐や下痢などの症状を引き起こし、重症の場合には命を落とす危険もあります。見分けるポイントは“花”。ニリンソウは春に白い花が咲き、トリカブトは秋に紫色の花が咲きます。
「セリ」と、有毒植物の「ドクゼリ」も見た目がよく似ています。ドクゼリを食べると、おう吐、下痢、意識障害、けいれんなどの症状を引き起こします。見分けるポイントは“におい”。葉を指で揉んでにおいを嗅ぐと、セリにはセリ特有のにおいがありますが、ドクゼリには特有のにおいがありません。
「オオバギボウシ(ウルイ)」と葉の形がよく似ているのが、有毒植物の「バイケイソウ」です。誤食すると、おう吐、けいれん、血圧降下などの重篤な症状を起こします。見分けるポイントは“葉脈の模様”。オオバギボウシは、主脈から側脈が広がっています。バイケイソウは、付け根から葉先に向かって平行線のような葉脈になっています。
判断に迷う場合は「採らない・食べない・人にあげない」ことが大事です。
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2023418日(火)

「観賞用植物の誤食」

東京都薬用植物園で有毒な鑑賞用植物について学びます。
日本国内で最も多い植物の誤食事故が、「ニラ」と間違えて「スイセン」を食べてしまうものです。誤ってスイセンを食べてしまうと、おう吐や下痢などの症状を引き起こし、過去に死亡事例もあります。見分けるポイントは“葉のにおい”。ニラの葉を軽く揉むと特有のにおいがありますが、スイセンにはありません。
「ギョウジャニンニク」と間違えやすいのが「イヌサフラン」の若葉です。誤食すると、下痢、おう吐、呼吸困難などの症状を起こします。こちらも見分けるポイントは“葉のにおい”。ギョウジャニンニクの葉には特有のにおいがありますが、イヌサフランにはありません。
観賞植物として市販されている「グロリオサ」も有毒植物のひとつ。芽が出る前の球根は、「ヤマイモ」に似ています。誤食すると、発熱、おう吐、臓器の機能不全などの症状を引き起こします。ヤマイモには全体にひげのような根が生えていますが、グロリオサの球根にはありません。またヤマイモは、すりおろすと粘りがありますが、グロリオサの球根はすっても粘りがないので見分けることができます。
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2023419日(水)

「園芸植物の誤食」

東京都薬用植物園で有毒な園芸植物について学びます。
園芸植物の「クワズイモ」は、名前の通り食べられない有毒植物です。葉の形が、「サトイモ」によく似ているため、特に注意が必要です。誤食すると口腔内の腫れ、胃痛などの症状を引き起こします。見分けるポイントは“根元の形”。地面の中で、クワズイモは棒状になっていますが、サトイモはかたまり状になっています。
有毒植物の「チョウセンアサガオ」は、根の部分が「ゴボウ」によく似ています。誤食すると、おう吐やけいれん、呼吸困難などの症状を引き起こします。葉の生え方に違いがあり、ゴボウの葉は根から生えていますが、チョウセンアサガオの葉は茎から生えていることが見分けるポイントです。
八角(はっかく)とも呼ばれ香辛料として使われる「トウシキミ」の実によく似ているのが、有毒植物「シキミ」の実です。誤食すると、おう吐、意識障害、けいれんを起こし、重症の場合は命を落とすこともあります。シキミは、寺や墓地など“屋外”で生育しています。一方トウシキミは、国内では植物園などの“温室”でまれに栽培されているだけです。屋外に落ちているのは有毒植物のシキミの実なので決して食べないでください。
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2023420日(木)

「食べ方や調理方法に注意」

食べ方や調理方法を誤ると食中毒になる恐れがある身近な食材について、東京都薬用植物園で学びます。
「ビワ」は、完熟した果実は安全に食べられますが、未熟な果実や特に種には「アミグダリン」という物質が入っており、体内に摂取されると分解されて有毒な「シアン化水素」が発生します。頭痛やめまいなど食中毒の症状を起こす危険があり、注意が必要です。SNSなどで、『ビワの種の粉末が、がんに効果がある』といった声が広がったことを受け、東京都などでは注意を呼び掛けています。がんに効果があるという科学的な根拠はありません。
ジャガイモの“芽”には、有毒物質「ソラニン」が多く含まれているため、食べると下痢、めまい、おう吐、腹痛などを引き起こします。芽の部分は、広範囲に完全に取り除くことがポイントです。皮が緑色に変わったジャガイモにもソラニンが多く含まれているので、食べない方が安心です。明るい場所に置くと緑色に変色するため、暗くて涼しい場所に保管するようにしてください。
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2023421日(金)

「薬用植物園の役割」

東京都薬用植物園では、薬用植物の調査研究や正しい知識の普及を行うため、医薬品などに使われる750種類以上の植物を栽培しています。中には、都内で唯一栽培が許可されている「ケシ」もあります。二重の柵で厳重に管理された畑で栽培を行っています。約1m50cmの背丈に成長するケシは、例年5月上旬ごろに満開の花を見ることができます。栽培の目的は、医学・薬学・看護学生に対して“医療用麻薬の原料”を学んでもらうためです。
さらに、法律で規制されている「植えてはいけないケシ」の種類や特徴を一般の人たちにも解説し、麻薬の成分を含まない「植えてもよいケシ」との見分け方を指導しています。
研究室では、植物の鑑別試験を行っています。例えば、「植えてもよいケシ」の種かどうか確認するには、顕微鏡を使って、園で栽培した種の標本と見比べます。市販されている健康食品の成分をチェックすることで、健康被害の予防にも取り組んでいます。
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東京都薬用植物園
住所:東京都小平市中島町21-1
電話:042-341-0344
HP:https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_iyaku/plant/