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冬の展覧会

2023213日(月)

「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」

今年で完成から90年を迎える旧朝香宮邸を、美術館として活用している東京都庭園美術館。こちらで今、「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」が開催されています。この展覧会では、今から約100年前のヨーロッパと日本のファッションや絵画など、幅広いジャンルの作品を紹介しています。さらに、旧朝香宮邸が展示作品と同時代の建物であるため、作品と建物の両方を楽しむことができます。
20世紀前半、芸術家たちは国やジャンルを超えて刺激し合い、モダンなものを作り上げていきました。フランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレは、当時、女性の間で一般的だったウエストを締め付けるコルセットを使わない、革新的なデザインのドレスを発表して、大きな注目を集めました。
そして日本でも、モダンなデザインが取り入れられていきます。芸術家・斎藤佳三(かぞう)は、ヨーロッパ留学の経験で得た発想を作品に取り入れました。ウィーンでの体験を“華”に見立てて、心から湧き上がってくるような動きをデザイン化したのが、「表現浴衣 維納(ウィンナ)の華」です。当時の日本人の服装は和装が中心でしたが、斎藤佳三は、和柄の中にモダンな要素を取り入れようとした人物でした。
「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」は、3月5日まで開催されています。
会期:2023年3月5日(日)まで
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:午前10時〜午後6時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜
入館料:一般 1,400円 65歳以上 700円(日時指定制)
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:https://www.teien-art-museum.ne.jp/
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2023214日(火)

「初期伊万里 朝鮮陶磁」

戸栗美術館で開催されている特別展「初期伊万里 朝鮮陶磁」を紹介します。「伊万里焼」は、1610年代に日本初の国産磁器として誕生しました。中でも初期の素朴な作風は「初期伊万里」と呼ばれています。うさぎが描かれている、単色使いのシンプルな初期伊万里の皿は、裏面を見ると釉薬が剥げているのがわかります。こういった職人の手の温かみを感じられるところが初期伊万里の魅力です。
現在の伊万里焼はカラフルで華やかな色絵が魅力ですが、初期伊万里は歪みやキズなど、草創期らしい技術の未熟さが表れているところに特徴があります。焼いているうちに底の部分が変形してしまった大皿の初期伊万里は、現代なら商品になりませんが、この時代には受け入れられていました。当時としては最先端の技術で作った器でしたが、まだ試行錯誤していた時代であることが見受けられます。
戸栗美術館の創設者 戸栗亨(とぐりとおる)が愛した「朝鮮陶磁」の作品も展示されています。朝鮮陶磁は、伊万里焼の祖≠ニも言われています。戸栗亨が、とても好んでいたのが個性的な俵型の壺です。魚の絵が描かれ、自由闊達な筆遣いの中に力強さが感じられます。
特別展「初期伊万里 朝鮮陶磁」は、3月26日まで開催されています。
戸栗美術館「初期伊万里 朝鮮陶磁」
会期:2023年3月26日(日)まで
住所:東京都渋谷区松濤1-11-3
電話:03-3465-0070
開館時間:午前10時〜午後5時(入館受付は午後4時30分まで)
※金曜・土曜は午前10時〜午後8時(入館受付は午後7時30分まで)
休館日:月曜・火曜 ※3月21日(火・祝)は開館
入館料:一般 1,200円
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:http://www.toguri-museum.or.jp/
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2023215日(水)

「日本の風景を描く」

山種美術館では、特別展「日本の風景を描く―歌川広重から田渕俊夫まで―」が開催されています。江戸時代から現代までの画家が描いた日本の風景、約60点が展示されています。
まずは、歌川広重の名作「東海道五十拾三次」から紹介してもらいました。京都の三条大橋や東山、清水寺などが描かれた作品です。江戸時代になり日本橋を起点とする五街道が整備されていくと、まだ見ぬ場所への憧れが人々の間でとても高まり、浮世絵はガイドブック的な役割も担っていました。
続いては、日本近代洋画の巨匠・黒田清輝の作品。明治時代の海水浴の様子が描かれた作品ですが、人が泳いでいる姿は描かれていません。当時の海水浴は泳いで楽しむものではなく、海に入って病気療養するのが目的だったそうです。黒田清輝がこうした日常を画題にしているところが、とても新しい作品です。
時代とともに変わっていく日本の古き良き風景は、多くの画家たちによって描かれ続けています。1980年代の渋谷を描いた作品には、雑踏や人を待っているような人々の中に「モヤイ像」が描かれています。時代の移り変わりを風景という視点から見られる作品です。
特別展「日本の風景を描く―歌川広重から田渕俊夫まで―」は、2月26日まで開催されています。
山種美術館「日本の風景を描く―歌川広重から田渕俊夫まで―」
会期:2023年2月26日(日)まで
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜
入館料:一般 1,300円
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:https://www.yamatane-museum.jp/
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2023216日(木)

「仏教美術の精華」

半蔵門ミュージアムでは、仏教に関する美術品の特集展示「仏教美術の精華 観音応現身像(かんのんおうげんしんぞう)をまじえて」が開催されています。展示品の一つ、室町時代に描かれた掛け軸は、死後の世界観が表現された作品です。死後の世界で裁判をしている五官王(ごかんおう)の姿が描かれています。罪を犯すと恐ろしい目にあうということを表現することで、人々に罪を犯させないようにしたと言われています。
願いに応じて33の姿にその身を変え、人々を救うとされている観音菩薩。姿を変えたうちのひとつである「三十三応現身立像 梵王身(さんじゅうさんおうげんしんりゅうぞう ぼんのうしん)」も展示されています。鎌倉時代頃から始まった表現方法で、仏像の袖を膨らませ、衣の中に風や空気を含んでいるかのような表現で造られています。
続いては、鎌倉時代初期の仏師・運慶が造ったとされる「大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)」。X線写真で撮影すると、内部には仏像の魂である「心月輪(しんがちりん)」や「五輪塔(ごりんのとう)形の木札」など、密教の世界観を示す、様々なものが納められていることがわかりました。さらに、この仏像の耳に開いていた孔(あな)から内部を調べると、体内には金箔が押され、五輪塔部分には色が塗られていることもわかりました。
特集展示「仏教美術の精華 観音応現身像をまじえて」は、3月12日まで開催されています。
半蔵門ミュージアム「仏教美術の精華 観音応現身像をまじえて」
会期:2023年3月12日(日)まで
住所:東京都千代田区一番町25
電話:03-3263-1752
開館時間:午前10時〜午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日:月曜・火曜
入場無料
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:https://www.hanzomonmuseum.jp/
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2023217日(金)

「北斎かける百人一首」

すみだ北斎美術館では、「北斎かける百人一首」が開催されています。浮世絵師、葛飾北斎とその門人たちが描いた
「百人一首」にまつわる企画展です。江戸時代、百人一首は一般教養やかるた遊びとして広く親しまれました。
北斎が描いた「百人一首乳母かゑ(うばがえ)とき」は、大人が歌の意味を子どもに説明する主旨で企画された作品です。北斎は、在原業平の『千早振(ちはやぶる) 神代もきかす(ず) 龍田川(たつたがわ) からくれなゐ(い)に 水くゝ(く)るとは』という和歌を題材に描いています。この和歌は、古代の神の時代にも聞いたことがないほど、川に流れている紅葉が美しいという意味の歌。歌では、紅葉が流れる竜田川に主眼が置かれていますが、北斎は人物の表情や動きに焦点を当てて絵を描いています。北斎の「百人一首」は、独自の発想を盛り込みすぎたこともあり、この絵はどの歌かと考えさせる謎解きのようなものになってしまったため、100図のはずが27図になってしまったと言われています。
さらに北斎は、“銀摺(ぎんずり)”と呼ばれる、銀の粉を摺(す)り込む技法などを使って、「百人一首」の歌人をきらびやかに描きました。企画展「北斎かける百人一首」は、2月26日まで開催されています。
すみだ北斎美術館「北斎かける百人一首」
会期:2023年2月26日(日)まで
住所:東京都墨田区亀沢2-7-2
電話:03-6658-8936
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日:月曜
観覧料:一般 1,000円 65歳以上 700円
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:https://hokusai-museum.jp/
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