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東京都交響楽団

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20211122日(月)

「コンサートマスター」

1964年の東京オリンピックの記念文化事業として翌年に設立された東京都交響楽団。現在、楽団員は95人。年間150以上の公演を行い、海外でも高い評価を得ています。活動拠点の東京文化会館で、普段は公開されていないリハーサルの様子を見学させてもらいました。何度も演奏を止めながら修正を繰り返す音作りの現場。そこで重要な役割を担うのが、演奏者のリーダーとして「コンサートマスター」を務める山本重友さんです。4歳でヴァイオリンを始め、中学生になると海外での演奏ツアーも行い、2000年に東京都交響楽団のコンサートマスターに就任しました。リハーサル中、山本さんは頻繁に周囲を見渡し、それぞれのパートに指揮者からの指示が伝わっているか常に気を配っています。また、演奏者からの相談にも自分で演奏して応じ、指揮者ともコミュニケーションを図りながら楽団を一つにまとめています。「コンサートマスターに就任した当初は緊張の連続でしたが、オーケストラの気持ちが一つになった時にすごい音がするという経験を何度もしてきました。それを目指して頑張っています」と山本さんは話していました。
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20211123日(火)

「演奏会の新型コロナ対策」

年間150以上の公演を行い海外でも高い評価を得ている東京都交響楽団。ところが去年の春、新型コロナの影響で全ての公演が中止になってしまいました。公演中止から3カ月後、楽団は公演再開に向け専門家と協力し、演奏中の飛沫の距離や空気の流れなどを映像化する検証実験を行ないました。検証の結果、プロの演奏では飛沫がほとんど飛ばないことが分かり、演奏者同士の適切な距離を定めるなど様々な対策を取り入れました。その一つが吸水シートです。息を吹いて音を出す管楽器の演奏でも飛沫は殆ど確認されませんでしたが、水蒸気が楽器の中で結露することがあります。これが飛び散らないようこまめに水滴を切るために、それぞれの演奏者が吸水シートを足元に用意しています。また、演奏中にマスクをかけておくクリップも譜面台に取り付けています。椅子や譜面台、クリップなどあらゆるものの消毒も徹底しました。そして公演中止から4カ月後、演奏者の数を半分ほどに減らした編成で再開に漕ぎ着けました。現在では、ほぼ元通りの演奏者の数で公演を行っています。
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20211124日(水)

「ライブラリアン」

年間150以上の公演を行い海外でも高い評価を得ている東京都交響楽団。その活動拠点が東京文化会館です。楽譜の管理などを行う「ライブラリアン」の糸永桂子さんに楽譜庫を案内してもらいました。こちらでは約6000セットの楽譜を保管しています。同じ楽曲の楽譜でも、出版社や出版された年代によって演奏する音の強弱や長さ、短さなどを示す譜面の記号が異っている場合があります。このため東京都交響楽団ではべートーヴェンの交響曲第9番の楽譜を3冊保管していて、コンサートでどの楽譜を使うのかを指揮者とライブラリアンが相談して決めています。また、楽器ごとに楽譜を用意するのもライブラリアンの仕事。この日は、弦楽器が演奏する際の“弓の上げ下げ”のタイミングを楽譜に書き込んでいました。弓の動きをそろえて演奏することは、見た目の美しさや音の勢いに関わる大事なポイントです。ライブラリアンは常にリハーサルなどにも立ち合い、演奏上の変更点などを楽譜に記録しています。糸永さんは「この記録を残していくことが東京都交響楽団の個性につながります。私は音を出さない音楽家として、オーケストラと一緒に音楽を奏でています」と話していました。
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20211125日(木)

「ステージ・マネージャー」

年間150以上の公演を行い海外でも高い評価を得ている東京都交響楽団。その活動拠点、東京文化会館で楽器の管理などを行う「ステージ・マネージャー」の浅見健太郎さん。1965年に東京都交響楽団が設立された当初から受け継がれている打楽器ティンパニを見せてもらいました。表面には牛の皮が使われ、同じものは生産されていないため、温度や湿度に細心の注意を払いながら管理しています。ティンパニ奏者の安藤芳広さんは「シンプルで、深くていい音がする」と話し、「このティンパニはがっしりとした作りで非常に重いため、楽器にとって一番ストレスのかかる運搬にスタッフがとても気を使ってくれています」と感謝していました。さらにステージ・マネージャーには、楽器の配置を決め舞台の設営を行うなど、コンサート全体を取り仕切る重要な仕事もあります。演奏者が使う椅子にも気を配り、演奏者のリクエストに合わせてパイプ椅子を用意する場合もあります。浅見さんは「演奏者が演奏だけに集中できる環境を作ることが目標です。その結果、何事もなく演奏が終わればそれ以上のうれしさはありません」と話していました。
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20211126日(金)

「音楽鑑賞教室」

1964年の東京オリンピックの記念文化事業として翌年に設立された東京都交響楽団。設立以来、都内の小中学生をホールに招きオーケストラの魅力を伝えるコンサートを行っていましたが、新型コロナの影響で中止が続いています。その代わりとして少人数の編成で学校を訪れ、子供たちに演奏を届ける「音楽鑑賞教室」を行っています。楽団員がグループに分かれ、多い月では30校ほど訪問しているそうです。先月、調布市の小学校で行われた「音楽鑑賞教室」を取材しました。この日の編成は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽四重奏。児童にも聞き馴染みのある「G線上のアリア」など有名なクラシックの楽曲を演奏しました。教室では演奏のほかに、低い音を出すチェロや高い音を出すヴァイオリンなどそれぞれの楽器の特徴を紹介しながら、音が重なる魅力にも触れてもらいました。児童たちからは「たった4つの楽器で、あんなに綺麗な音の重なりが出せるなんてびっくりしました」という感想が寄せられました。チェロ奏者の高橋純子さんは「音が鳴った瞬間に目を輝かせる子どもたちの表情を見られるのが一番うれしい。『この楽器の音が素敵だったな』という純粋な感覚で心の引き出しに残って欲しいです」と話していました。
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東京都交響楽団
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